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2022年8月16日 (火)

在庫を減らしなさい①

この時期、ショッピングモールや百貨店の実店舗、

加えてネット通販の小売店やアパレル店等を見ると、

セール品の販売が増えていることに気づきます。

要は、そのほとんどが夏物・中元商品の売れ残りです。

“まだ暑いうちに売ってしまえ!”

という気持ちはわかりますが、

いつまでそのような売り方をするのでしょうか。

 

①特別損失にして廃棄しなさい

 

季節商品やブーム商品の売れ残りが出てきたら、

セール品にする、福袋にする、それでも残れば社内販売にする、

といった流れが、今も世間の様子から垣間見えます。

 

でも結局それなりに、売れ残ります。

そんなとき、

“どうしても売れ残ったのなら、特別損失にして廃棄しなさい”

と申しあげています。

しかし、

“その会計処理は、どうすればいいのでしょうか?”

という質問を、今も時折受けることがあります。

 

“今はどのような処置をしているんですか?”と聞くと、

“この商品はもう売れないから処分しよう、という場合、

棚卸表に書かない、というやり方で処置しています。”

と教えてくれます。

“その方法だけだと、原価に入るでしょう。”と言うと、

“そうなんですよ、だからわからないんですよ!”

とおっしゃるのです。

 

“その原価から、廃棄分の額を、棚卸資産除却損として、

 特別損失に振り替える伝票を一枚きればいいんですよ。”

とお伝えすると、

“そうか!振り替えか!わかりました!”となります。

月次決算の時か、年次決算の折に、振替伝票を作成し、

原価から特別損失に移動させればよいだけのことです。

単純な処理ですが、やったことがなければ、わからないものです。

 

廃棄分が原価に入ったままだと、その分、

営業利益が小さくなってしまいます。

銀行への交渉力を高めるためには、

営業利益を減らしたくないのです。

だから、

廃棄商品等のコストは、特別損失に計上したいのです。

 

しかしそもそも、

不良在庫が出ないようにしてほしいのです。

売れ残ったら売値を下げる、という発想ではなく、

売り切り御免で在庫を残さない、という考え方に変えてほしいのです。

 

どのような業種であれ、

必要以上に在庫を抱えて対応できたのは、ずっとデフレだったからです。

あらゆるコストが上がってきた今後、

これまでと同じ発想の作り方・売り方では、

財務体力は衰える一方です。

在庫に対する考え方を、

大きく転換させる時期にきているのです。

 

(古山喜章)

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