在庫を減らしなさい➂
この時期、ショッピングモールや百貨店の実店舗、
加えてネット通販の小売店やアパレル店等を見ると、
セール品の販売が増えていることに気づきます。
要は、そのほとんどが夏物・中元商品の売れ残りです。
“まだ暑いうちに売ってしまえ!”
という気持ちはわかりますが、
いつまでそのような売り方をするのでしょうか。
➂在庫を抱えると高くつく
顧問先の設備工事業者における実例です。
工事に必要な部品・資材は、
各工事現場の担当責任者が発注します。
その会社では、必要部品や資材を注文した際、
納品後、必要以上のものは、
半額で同じ業者に引き取ってもらっています。
例えば、4個必要な部品があったとして、
最小の発注ロットが6個とします。
2個は余分です。でも、6個単位でしか発注できません。
その余分の2個を、工事終了時には、
納品業者に仕入れ額の半値、あるいはそれ以下で、
引き取ってもらうのです。
その会社がそのようなことをやり始めたのは、
ある経緯があります。
以前は、2個余分があれば、
それはまた別の工事現場で使えるから、
という理由で、別の倉庫に保管していました。
現場ごとに余分は出るので、倉庫はすぐにいっぱいになります。
しかし、その倉庫に保管していた予備の部品が使われる、
ということは実態として、ありませんでした。
結局、別の現場では、新たに発注していたのです。
また、たまに倉庫にある部品を使おうとしても、
探すのに手間がかかる、
時間の経過で使えるものと使えないものがある、
という状況だったのです。
で結局、倉庫に保管していた予備部品を、廃棄していたのです。
“そんなことなら、
家賃を払って倉庫を借りても、意味がないじゃないか!”
となり、在庫は残さない、という現在のやり方に至ったのです。
要は、在庫を抱えると余計に高くつく、
ということに気づかれたのです。
残った部品や資材を、
“また使えるから”という理由でどこかに保管している、
という中小企業はまだまだ多いです。
しかし結局はそのほうが高コストになっている、
ということに、早く気付いてほしいのです。
(古山喜章)
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