政府系銀行を活用しなさい②
銀行は大きく二つの系統に分かれます。
メガバンク、地銀、信金など民間の市中銀行と、
政策金融公庫や商工中金の政府系銀行です。
しかし、
この二つの系統の特徴をよく理解して、
資金調達をしている中小企業は少ないのです。
②政府系銀行は預金の必要がありません
民間の銀行は、
個人や法人から集めた預金を元にして、
融資や運用を行います。
一方、政府系銀行は、預金の必要がありません。
国会で決議された予算に基づいて、
財務省が政府系銀行へ、資金を投入します。
その資金を、必要な企業などへ貸し付けるのです。
具体的には、企業の民間銀行口座へ振り込まれることになります。
預金が必要ないので、管理はラクです。
それに、定期預金のような預金も発生しません。
そもそも、現状の民間銀行はカネ余りです。
かつてのバブル期以前のような、
資金需要が旺盛な時代ではありません。
銀行員が預金集めに奔走する、という時代ではないのです。
そのため、民間銀行の担当者は、
取引先企業にお願いして、必要のない融資を押し付けてきます。
「多めに融資しますので、多い分は定期預金でいかがでしょうか?」
などと言ってくるのです。
いわゆる、歩積み両建てです。
これは、優越的地位の濫用に当たるのです。
“必要以上に過度な融資をしてはいけない”
というのが、金融庁から民間銀行へのお達しであり、ルールなのです。
しかし民間銀行は、そんなことはおかまいなしに、
提案を受けてくれそうな財務担当に、要求してくるのです。
で、カネ余りの銀行の現状を知らない財務担当は、
「ならば借りれるだけ借りておこう。」などとなります。
財務状況を悪化させてしまうのです。
その点、政府系銀行は預金が必要ありませんので、
このような事態には陥りません。
必要な資金を借りるだけ、なのです。
預金の必要有無も、
民間銀行と政府系銀行の、大きな違いなのです。
(古山喜章)
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