政府系銀行を活用しなさい①
銀行は大きく二つの系統に分かれます。
メガバンク、地銀、信金など民間の市中銀行と、
政策金融公庫や商工中金の政府系銀行です。
しかし、
この二つの系統の特徴をよく理解して、
資金調達をしている中小企業は少ないのです。
①政府系銀行と民間銀行は、その目的が違います
メガバンク、地銀、信金など民間の市中銀行は、
金利や各種手数料などを収入とし、
儲けることで経営を継続します。
通常の株式会社と同じ、民間出資の営利事業体です。
利益を出し、永続的に経営を続けることが必要なのです。
稼ぐことが目的なのです。
一方、政府系銀行は違います。
政府出資による株式会社です。
そして主に、
国会で決議された財政投融資の資金を、
企業に届けるための橋渡しの役割を担います。
財政投融資は今でいえば、コロナ融資です。
地震・水害など激甚災害発生時の、
復興融資も同様です。
貸すことが目的なのです。
稼ぐことが目的ではないのです。
ここが民間の市中銀行とは、まったく違うのです。
他にも、再生エネルギーや各種設備投資の促進など、
数々の制度融資、というものがあります。
国力の基礎となる多くの企業を資金面から支援するため、
実務的な窓口として設立されたのが、
政府系金融機関なのです。
そのため、
貸すことを目的としたような動きがあると、
民業圧迫として、批判されるのです。
5~6年前、商工中金が金融庁から処分を受けたのが、
この民業圧迫行為、というものでした。
中小企業では、必要な資金調達をする際に、
銀行を利用することが多いです。
しかしまずは、政府系銀行と市中銀行の違いを、
よく理解して、おつきあいをいただきたいのです。
(古山喜章)
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