給与制度の変革時代①
「今の給与制度のままでは、
これからの環境変化に適応しきれない」
と感じておられる中小企業の経営者が多いです。
30年間のデフレが終わりつつある昨今、
給与制度は変革の時代に入ろうとしているのです。
①現状の給与制度は機能しているか
日本の給与制度は今もほとんど、年功序列型です。
そして、その仕組みの多くは、
「あなたの基本給は、〇等級の〇号俸です。」
という、職能資格制度で運用されています。
年功序列型の職能資格制度の原点は、
国家公務員に適用してきた給与制度です。
それを民間にも適用し始めたのが、1950年代です。
その後70年にわたって多くの会社で運用されてきました。
しかし現状は、
「うちの給与制度のままでは、これからの時代に適応できないし、
こんな制度では、若い人たちの給与を上げれず、人も採れない。」
と、多くの中小企業経営者が悩まれているのです。
約30年間、デフレ環境が続きました。
賃金を上げる必要はほとんどなく、多少の弊害があるものの、
年功序列型でかろうじてしのげたのです。
大きなベースアップはほぼなく、
申し訳程度に賃金を上げることで、デフレ環境に対応できたのです。
が、そのデフレも終わりが見えてきました。
しかし、
賃金を上げなければならない、という環境に変わってきました。
その途端、
“この給与制度では耐えられない”となってきたのです。
年功序列型は、年齢を重ねればどこまでも、
上がり幅に差はあるものの、給与が上がり続ける仕組みです。
仕事のできない社員も、多少とはいえずっと給料が上がるのです。
そこで大手企業で増えつつあるのが、「ジョブ型」や「職務型」です。
従来の年功序列型はやめて、
「仕事内容や役割に応じた賃金制度にしよう。」
という動きです。
かつては特定の大企業だけがそのような仕組みに変えようとしました。
が、うまくゆかず、年功序列型に戻したりしていました。
しかし今回は様子が違います。
そうしなければいけない、
という足並みが企業間でそろい始めているのです。
その動きは中小企業でも同様です。
デフレからインフレモードに移るなか、
どのような給与制度に変革するべきか、考えてゆきたいと思います。
(古山喜章)
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