銀行とのつきあい方①
円安にコストインフレが続くなか、
中小企業における銀行取引にも、
さまざまな変化が見えてきました。
環境変化が大きい現状、銀行の言いなりにならぬよう、
お気を付けいただきたいのです。
①2023年は倒産が増えます
銀行の元頭取とお話しをする機会がありました。
「来年は今年よりも倒産が増えそうです。」
とのことでした。
その後、現役の役員と話しをしても、
同じことを言っておられました。
その理由は、二人とも同じです。
「コロナ融資の返済が本格的に始まるから」ということです。
一部の業界や企業ではすでに返済がスタートしていますが、
多くはコロナ融資から満3年を迎える2023年から、
返済がスタートします。
「どうやら、返済開始に耐えられない会社が、
それ相応の数あるようで、その選別に動き始めています。」
とのことなのです。
本来、銀行は不良債権を発生させたがりません。
回収不能の損失を被ることと、
金融庁からのおとがめを嫌うからです。
しかし、コロナ融資に関しては、
保証協会が銀行に対して、100%の保証をしています。
なので、コロナ融資を受けた企業が倒産しても、
銀行は保証協会を通じて100%回収できるのです。
回収不能の損失はなく、痛みがないのです。
通常、保証協会は最高80%保証なのです。
だから銀行は、
返済が厳しくても継続融資をする会社と、
返済不能であれば、もうそこで見限ってしまう会社を、
今の打ちから選別し始めているのです。
となると、倒産が増えるのは当たり前なのです。
彼らは、そのことを承知しているのです。
ただ、倒産が増えるといっても、
要はゾンビ企業が減る、ということです。
借入金の連続でお金が回っている会社に、
今後の資金注入をやめるだけです。
延命治療の生命線をカットするだけです。
まっとうな戦で生き残っている企業にとっては、
ある意味ありがたい事なのです。
とはいえ、銀行もカネ余りです。貸し先の不足に困っています。
どこまで英断し、継続融資を途絶えさせるのか。
その余裕がある銀行と、そんな余裕のない銀行が、あるはずです。
この結果によって、
銀行の優劣にも、ますます差が広がってゆくのです。
このブログを読んでいただいている会社には、
2023年、そのような状況に巻き込まれないよう、
祈るばかりなのです。
(古山喜章)
« フランチャイズビジネスの是非④ | トップページ | 銀行とのつきあい方② »
「銀行交渉」カテゴリの記事
- 銀行融資の担保・個人保証はすぐに外しなさい④(2023.07.14)
- 銀行融資の担保・個人保証はすぐに外しなさい➂(2023.07.13)
- 銀行融資の担保・個人保証はすぐに外しなさい②(2023.07.11)
- 銀行融資の担保・個人保証はすぐに外しなさい①(2023.07.10)
- 特別損失を活用しなさい(2023.05.02)
コメント