銀行とのつきあい方④
円安にコストインフレが続くなか、
中小企業における銀行取引にも、
さまざまな変化が見えてきました。
環境変化が大きい現状、銀行の言いなりにならぬよう、
お気を付けいただきたいのです。
④固定がいいか、変動がいいか
インフレ傾向ではあるものの、
現状ではまだまだ変動金利の対応でいい、
タイボ(TIBOR)+スプレッドの金利にしなさい、
と、先に申し上げました。
とはいえ、銀行から、
「20年、固定の0.3%でどうですか?」
と破格の提案があれば、受け入れればよいのです。
実際に、そのような顧問先があるのです。
一番よくないのは、
「そろそろ金利が上がりそうだから・・・」
と銀行員からそそのかされ、
安易に固定金利で契約してしまうパターンです。
固定金利の多くは、1%前後かと思われます。
長期借入期間で多いのは、7年前後です。
では今後の7年間で早々に、
「1%にしておいてよかった。」
と思えるまで、日本の銀行金利が急上昇するかというと、
しないと思うのです。
金利が大きく上がるのは、
アメリカの金利が急騰したからではなく、
カネ余りが解消され、おカネが不足してきたときです。
資金需要が膨らんで、貸す側が有利になってきたとき、
金利は大きく上がります。
日本はいまだ、空前のカネ余りなのです。
あるとすれば、
デフレ対応で海外へ移した生産拠点を国内に戻し、
“メイド・イン・ジャパン復活!”
で設備投資が活発化してきた時だと考えるのです。
お金がどんどん必要になったときです。
「働く人が少ないから、国内回帰はムリでしょう。」
とおっしゃる方もおられます。
が、それを克服するのがロボットやシステムであり、
規制緩和による外国人労働者の活用です。
そのための底力は、備わりつつあるのです。
事実、早々にメイド・イン・ジャパンを復活されている
顧問先もあります。
その会社では、海外生産を国内生産に戻しても、
少人数で対応できるよう、ロボットとシステムをフル活用し、
新しい時代環境に適応した収益体質を構築しておられます。
現状では、
日本の金利が短期間で急上昇することはありえません。
借入をするにしても、変動金利で対応して返済を進めればよいです。
数年後、本当に上がってきたら、借り換えをすればよいのです。
今の時点では、変動か固定かで悩むより、
劇的な環境変化に適応すべく、収益体質改善に取り組んでほしいのです。
(古山喜章)
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