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2022年11月

2022年11月30日 (水)

マイナス決算を活用して埋蔵金を掘り起こしなさい➂

「今年は原料高と光熱費の高騰で、

 どう転んでも決算の当期純利益はマイナスになりそうです。」

という声を聞く機会が、今年は時折あります。

しかし、そのような時にこそ、

取り組んでいただきたいことが、あるのです。

 

➂倒産防止共済の解約

 

最終の当期純利益が赤字になるなら、

いっそのこと、倒産防止共済の掛け金を解約する、

ということも考えてほしいのです。

 

倒産防止共済は、月額最高20万円、

年額の掛け金が最高240万円まで、

累計の掛け金が最高で800万円まで、

となっています。

政府系機関による、中小企業の資金繰りを支える、

セーフティーネットのひとつです。

掛け金は全額損金で計上できます。

 

なので、掛けている、という中小企業は多いです。

ただ、最高240万円までなので、4年足らずで

満額にまで到達し、あとはそのまま放置されます。

なかには、

「加入していないので入ります!」と言いながら、

「調べてみたら、すでに入っていて、

満額800万円に到達していました!」

ということもあるのです。

特に、後継者が加入しようとしたら、

先代がかなり以前に加入していて、

満額のままになっていた、というパターンが多いです。

 

で、赤字のときに解約し、

来期はまた新たに、加入すればいいのです。

解約しても、何度でも繰り返し加入できるのです。

子会社がある場合、各社で加入しておけば、

それなりのまとまった金額にもなります。

 

解約返礼金を雑収入で計上すれば、

経常利益のプラス要素にはなります。

どうせ赤字決算なら、この際、

蓄積していた倒産防止共済を解約してキャッシュを得て、

また次年度、再加入して損金計上に活用すればよいのです。

赤字決算の見込みであれば、ぜひとも、

倒産防止共済の加入状況を確認しておいてほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年11月29日 (火)

マイナス決算を活用して埋蔵金を掘り起こしなさい②

「今年は原料高と光熱費の高騰で、

 どう転んでも決算の当期純利益はマイナスになりそうです。」

という声を聞く機会が、今年は時折あります。

しかし、そのような時にこそ、

取り組んでいただきたいことが、あるのです。

 

②含み益のある生命保険

 

生命保険は解約すると、利益が出る、というケースが多いです。

半分損金・半分資産の生命保険なら、

損金計上した分の一部が、解約時の雑収入になります。

全額損金の生命保険を解約すれば、

解約返戻金が全額、雑収入となります。

 

そのため、当期純利益が出ている状況では、

「解約しても一部が税金で持っていかれるなら、もったいない。」

となり、高額の役員退職金でもない限り、

解約の機会がなかなかないのです。

しかし、どのような業界にも10年や20年に一度、

マサカの坂がやってきます。

どう転んでも今期は最終赤字になる、という時です。

 

今年度は、原料高、光熱費、運賃などのコストインフレです。

その影響で当期純利益が赤字になる、という会社もあるはずです。

そのような時こそ、

通常時の解約なら利益が出てしまう生命保険を、

解約してしまうのです。

 

さすがに生命保険解約の返戻金による利益を、

売上高にはしづらいものの、雑収入に加えることは可能です。

そうすれば、せめて経常利益へのプラス要素となります。

 

建築業界の経営審査、

帝国データバンク、東京商工リサーチなど、

データを調査する団体や民間機関は、経常利益を重視します。

経常利益が大きくなるだけでも、

決算書としての効果はあるのです。

 

それに、解約返戻金のお金は入ってきます。

資金繰りには、好影響なのです。

当期純利益が赤字になりそうなら、

早めに生命保険の中身を見直し、

解約してもその利益を活かせる保険商品がないか、

チェックしておいてほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年11月28日 (月)

マイナス決算を活用して埋蔵金を掘り起こしなさい①

「今年は原料高と光熱費の高騰で、

 どう転んでも決算の当期純利益はマイナスになりそうです。」

という声を聞く機会が、今年は時折あります。

しかし、そのような時にこそ、

取り組んでいただきたいことが、あるのです。

 

①含み益のある投資有価証券

 

貸借対照表の資産に、投資有価証券がある、

という会社は多いです。

中身はさまざまです。

取引先大手上場企業の株式であったり、

単純に“儲かりそうだから”と買った株式、等など。

 

「そんなものは売ったほうが、

 総資産が小さくなって、ROA(総資産経常利益率)も、

 よくなりますよ。」

と言っても、

「いやぁ、今年は最終利益がプラスになるし、

 うちが持っている株は、含み益があるので、

 いま売却するのは、ちょっと…、やめておきます。」

となることが、往々にしてあります。

 

要は、売却して利益が出て、税金を払う、

ということが、もったいないのです。

これはこれで、その気持ちはわかるのです。

ならば、そのような含み益のある上場株式は、

最終利益がマイナスになるようなタイミングで、

売却してほしいのです。

 

特に今年は、コストインフレです。

原料高、光熱費高騰、労務費高騰、運賃高騰など、

業績への悪影響を受けている中小企業が多いです。

「売価への転嫁はまだまだ…。」という会社が多いのです。

そのような会社にとって、

含み益のある投資有価証券の売却は、

絶好の売りタイミングなのです。

 

売却時の含み益は特別利益になりますが、

売却前の税引き前利益が大きなマイナスなら、

含み益を吐き出す売却処理をすればいいのです。

会社保有の投資有価証券に、いくつもの会社の株式があると、

「売却益が出ている株があるかどうか、確認しないとわかりません。」

という場合もあります。

 

最終利益がマイナス決算になりそうな会社は、

投資有価証券があればその中身を調べて、

含み益のある株式はぜひとも、売却してほしいのです。

 

このように、最終利益がマイナスだからこそ、

処理しておきたい埋蔵金が、会社に眠っている場合があります。

そんな埋蔵金に、スポットを当てていきたいと思います。

 

(古山喜章)

2022年11月25日 (金)

本当にそうなんですか?④

時々、スポットで単発的に相談を受けることがありますが、

その際に、「これって、本当にそうなんですか?」

と経営者から聞かれることがあります。

 

「減資したら、税金がたくさんかかります」

 

製造業を営む多治見工業(仮称)は、

大手機械メーカーの産業用機械を仕入れ、

これを自動車メーカーの工場へ納入、据付を行う会社です。

 

業績は堅調ではありますが、

専務から相談がありました。

 

「実は、今後の悩みの種が、

下請法との関係です。

 

当社は、サプライヤーを外注として使って、

仕事をこなすことも多々あります。

 

ところが、数年前に、

公正取引委員会から是正勧告を受けたことがありまして・・・

 

調べると、資本金が大きいと、

いわゆる親事業者になる場合が大きく、

指摘対象になるケースが多いのです。

 

もちろん、是正すべきはしてゆきますが、

資本金を減らしたいと思っています。

 

これを税理士さんに確認したところ、

減資の場合は、個人にかなり税金がかかるみたいで・・・

 

本当にそうなんでしょうか?」

と質問がありました。

 

「半分あたりで、半分間違いですね。

減資は、有償減資と言われるものと、無償減資と言われるものがあります。

税理士さんは、有償減資のことをいっていますね。

 

でも、こちらの減資は少なくて、

圧倒的に多いのは、無償減資です。

 

これだと、税金はかからないですよ。」

 

(福岡雄吉郎)

2022年11月24日 (木)

本当にそうなんですか?③

時々、スポットで単発的に相談を受けることがありますが、

その際に、「これって、本当にそうなんですか?」

と経営者から聞かれることがあります。

 

「重加算税をとられる場合は、一筆とるのが普通のようです」

 

現金商売を行っている尾張(仮称)に、

税務調査が入りました。

 

尾張(仮称)は、業績絶好調で、

今期も多額の利益を計上しています。

 

直前期で土地の売却取引を行い、

それに伴って、売却損を計上しましたが、

国税側は、この売却損を否認したいようでした。

 

調査結果として、

特に何か問題があったわけではありません。

しかし、彼らは手ぶらで帰るわけにはいかず、

「修正申告に応じないと、

まだまだ長引きますよ」

といって、戦う、争うのが嫌いな、

尾張社長を揺さぶります。

 

何も問題ないから戦えばいいじゃないか、

と思われる方が多いですが、

尾張社長としては、「一刻も早く終わらせたい」

と強く思うタイプでした。

 

結果的に、修正申告に応じてしまったのです。

税理士も、情けない税理士で、

根拠がない否認なら戦えばよいのに、

最初から戦意喪失状態でした。

 

おまけに、この取引を仮装しました

などと、絶対にやってはいけない自白調書へのサインをとられ、

重加算税です。

 

根拠がないから、自白調書をとるんです。

根拠がないなら、自白調書へのサインは絶対にNGです。

 

「国税から、“重加算税の場合は、みなサインしていますよ”と言われました」

と尾張社長は言いますが、

それは真っ赤な嘘です。

 

(福岡雄吉郎)

2022年11月22日 (火)

本当にそうなんですか?②

時々、スポットで単発的に相談を受けることがありますが、

その際に、「これって、本当にそうなんですか?」

と経営者から聞かれることがあります。

 

「役員退職金は、3倍まで。功労加算の30%上乗せは、創業者だけ」

 

不動産業を営む、赤津不動産(仮)から、

役員退職金の相談がありました。

 

現在の赤津会長は、先代の創業者と一緒に

会社を大きくしてきました。

 

ビルの開発、運営、管理を一手に担い、

会社を大きくした、いわば、中興の祖といえます。

 

この会長に退職金を支給しよう、

ということになりました。

 

当然、功績は大きいので、

功績倍率方式に基づく役員退職金に、

上乗せして、特別功労金を支給したい、

となりました。

 

30%の上乗せです。

 

ところが、赤津社長のもとに、

顧問税理士から、「No」となったのです。

 

功労加算金は、創業者だけに認められている、

というわけです。

 

そんなことはありません。

功労加算金は、会社に対して功績が顕著な経営者に

支給するものです。

 

ですから、創業者でなくても、

会社を大きくした中興の祖、と言われる方は、

堂々と受け取っていただきたいのです。

 

(福岡雄吉郎)

2022年11月21日 (月)

本当にそうなんですか?①

時々、スポットで単発的に相談を受けることがありますが、

その際に、「これって、本当にそうなんですか?」

と経営者から聞かれることがあります。

 

「グループ会社間で、お金の貸し借りをしてはいけない」

 

調剤薬局を営む瀬戸社長(仮)から、

質問がありました。

 

「うちは、グループ会社が、4社あって、

まぁ、良いところもあれば、悪いところもあります。

資金繰りも余裕があるところもあれば、

今は、苦しいところもあって、結構バラバラです。

 

このうち、Aという会社で、

設備投資をしたいですが、

残念ながら、いま、A社には、資金的な余裕がない。

もちろん、銀行から借りればいいんだけど、

私は、銀行からお金を借りるのは嫌なんだ。

だから、できることなら、お金に余裕のあるB社のお金を使いたい。

 

でも、うちの税理士は、B社からA社にお金を貸すことはダメだ、

といって、貸すなら、社長個人が貸してくださいって。

私個人には、そんなお金ないんだけど、

税理士の言っていることって、本当にそうなんですか?」

 

との質問でした。

 

「グループ間でお金の貸し借りをしていけない、

ということはないですよ。

許認可とかの関係で、してはいけない法律があるのなら別です。

 

そういったものがなければ、

貸し借りをしたらよいです。

 

そもそも、税理士さんは、なんで「ダメ」といったのですか?」

 

こう聞くと、「なんでかは、聞いてません」

 

税理士にダメといわれたら、

納得いくまで、なぜ?と確認することが大事です。

 

(福岡雄吉郎)

2022年11月18日 (金)

たまには定款を見直しなさい⑤

事業承継の案件に関わる際は必ず、定款を確認します。

しかし、定款のメンテナンスは案外されておらず、

いつか作成して登記したまんま放置され、

全く改訂されていない、ということが多いのです。

しかし、

定款は会社の根幹を成す重要なエビデンス(証拠書類)です。

もう少しその内容に、敏感になってほしいのです。

 

⑤発行株式の種類をどう設計するか

 

中小企業のほとんどは、

普通株式のみを発行する定款になっています。

しかし株式には、普通株式以外の種類株式が、9種類あります。

そしてその9種類を組み合わせてひとつの種類株式とし、

定款に記載して登記することができるのです。

無議決権株式、配当優先株式、黄金株 等など、

その名称くらいはお聞きになったことがあろうかと思います。

 

特に事業承継において活用価値が高いのが、

「取得条項付き株式」という種類株式です。

相続や強引な譲渡による、株式の分散を防御する役割を果たします。

例えば娘婿が社長の場合、その娘婿は1株も株式を持っていない、

ということがあります。

本人は

「いつまでも、信頼されていないんですよ。」

というものの、先代の父親にしたら、

「いやぁ、株を渡して離婚したら、株を持ったままになりますから。」

という気持ちもわかるのです。

 

そのような場合、取得条項のついた株式を娘婿に譲渡します。

1)役員・従業員の立場を失ったとき

2)死亡したとき

など、いくつかの条件を設定し、そのようなことがあれば、

“即日にその株式は会社のものとなる”と定款に記載し登記するのです。

そうすることで、

仮に先代の不安が的中しても、株式が分散することはありません。

離婚して、その会社の社長を続けることはないはずです。

退任することになり、取得条項に基づき、株式は会社に移行するのです。

 

他にも、

兄弟で株式を保有するけれども、

弟は無議決権株式にして、議決権は社長である兄に集中させる。

など、様々な形で、その会社固有の事情に合わせ、

株式のありかたを設計することができます。

ただし、発行済みの普通株式を種類株式に転換するとなると、

株主総会での特別決議に加え、全株主の同意、が必要です。

株式が分散している程、種類株式活用へのハードルは上がるのです。

だから、株式を安易に分散させないでほしいのです。

 

定款での株式設計によって、事業承継をスムーズにし、

株式にかかる相続税をゼロにすることも可能なのです。

それくらい、定款というものは大きな存在なのです。

将来リスクを考慮した際に、

わが社ではどのような株式の設計にしておくべきか、

改めて考えてほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年11月17日 (木)

たまには定款を見直しなさい④

事業承継の案件に関わる際は必ず、定款を確認します。

しかし、定款のメンテナンスは案外されておらず、

いつか作成して登記したまんま放置され、

全く改訂されていない、ということが多いのです。

しかし、

定款は会社の根幹を成す重要なエビデンス(証拠書類)です。

もう少しその内容に、敏感になってほしいのです。

 

④監査役を置かない

 

「うちの会社には監査役がいないんです。」

というケースがあります。

これは前回に述べた、取締役会を置かない会社、と連動します。

会社法上、

取締役会を置かない会社の場合、監査役を設ける必要がありません。

なので定款上、“取締役の人数は1名以上とする。”

と定めている会社、ということになります。

但し、取締役会はなくても、監査役を置くことはできます。

 

監査役が必要、となると、

中小企業の場合、多くは社長の母親や奥様など、

ごく身内の人物を選任しているケースが多いです。

が、そのほとんどは、実態を伴わない監査役です。

「そんな監査役なら、うちの会社には必要ないです。」

という会社や、子会社・別会社の場合、

監査役を置かない、とされているケースが多いです。

 

ただ、監査役を置く、というのは、

単に監査機能を求めるだけではない場合もあります。

親族を監査役に置き、月額10万や20万、報酬を出す。

そうして利益を分散させる。

あるいは当人に課税のない範囲で報酬を出す。

要は、お金を身内の財布にためてゆく、

という機能もあるのです。

 

ただしその場合、

監査役が全く何にもしていない、となると、

税務調査でつつかれることもあります。

「何にもしていないのに報酬を出すのは、損金として認めない。」

などという、半ば言いがかり的な指摘を受けるケースです。

せめて月に一度は、簡単な監査チェック報告書に署名・捺印をする、

などといった、エビデンス(証拠書類)を残してほしいのです。

 

グループ会社を含め、監査役を置くか置かないか、

ということも、各社の経営判断です。

定款次第でどちらも選択可能です。

自社にとって最適な策を選び、定款を整備してほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年11月16日 (水)

たまには定款を見直しなさい➂

事業承継の案件に関わる際は必ず、定款を確認します。

しかし、定款のメンテナンスは案外されておらず、

いつか作成して登記したまんま放置され、

全く改訂されていない、ということが多いのです。

しかし、

定款は会社の根幹を成す重要なエビデンス(証拠書類)です。

もう少しその内容に、敏感になってほしいのです。

 

➂取締役会を置かない

 

会社に取締役会が存在する場合、定款には必ず、

“当会社は取締役会を設置する。”との記載があります。

逆に、その記載が定款になければ、

取締役会を置かない会社、となります。

 

取締役会がある会社とない会社では、

会社法上、取締役の人数に違いがあります。

取締役会がある会社は、取締役の人数は3人以上必要です。

取締役会がない会社は、取締役1人以上でOKです。

なので、比較的小さな会社を想定した、会社法の仕組みです。

 

「取締役会がなければ、決議の記録など、

いわゆるエビデンス(証拠書類)はどうするんですか?」

と聞かれることがあります。

取締役会がない会社の場合、必要な意思決定の書類は、

“代表取締役による決定書”として、残します。

つまり、社長1人の決定でよく、その記録を文書にして残す、

ということになります。

複数の取締役がいても、取締役会がなければ、

社長の決定と社長の署名捺印だけで完結します。

 

取締役会がなければ、何日前までに招集通知を出す、

等といったわずらわしい手続きやその条文は必要ありません。

取締役会がない分、定款は少しすっきりした感じにはなります。

3名~4名の取締役がいるものの、取締役会がない、

というケースもあります。

取締役が親族ばかりの中小企業の場合、

このパターンを見かけます。

 

「なぜ、取締役会を置かない会社にされたのですか?」とお聞きすると、

「司法書士の先生から勧められて。」という事が多いです。

“大企業ではないのだから、取締役会がないほうが楽ですよ。”

といったことで、取締役会を置いていないのです。

特に子会社や別会社などの場合、取締役会を置かない、

ということで十分かと思われます。

中小企業各社の定款を拝見していると、

10社に1社程度、取締役会を置かない会社、に出会います。

 

自社やグループ会社で、“それもありだな”という場合、

取締役会を置かない会社に定款変更することも、

ひとつの考え方なのです。

 

(古山喜章)

2022年11月15日 (火)

たまには定款を見直しなさい②

事業承継の案件に関わる際は必ず、定款を確認します。

しかし、定款のメンテナンスは案外されておらず、

いつか作成して登記したまんま放置され、

全く改訂されていない、ということが多いのです。

しかし、

定款は会社の根幹を成す重要なエビデンス(証拠書類)です。

もう少しその内容に、敏感になってほしいのです。

 

②「相続人等への売渡し請求」と「譲渡制限」

 

平成18年、新会社法の施行時より、

“相続で株式を取得した人に対し、

会社が株式の売渡しを請求することができる”

との条文を定款に記載できるようになりました。

(相続人等に対する株式の売渡し請求)

という名称で、第8条か9条あたりに記載されています。

 

新会社法の制定時からの条文なので、

長らく定款の見直しをしていない会社の場合、

この条文が入っていない、ということがあるのです。

 

ただ、“請求することができる”というだけなので、

拒否されることもあります。

会社が株式を買い戻す、という法的効力まではありません。

それでも、この条文があれば相続人に対して、

「会社の定款の定めに応じて、株式を買い取らせていただきたい。」

と、スムーズにお伝えすることができます。

その意味において、記載しておいたほうがよいのです。

 

法的効力がない、という意味では、“譲渡制限”も同様です。

“株式を譲渡するには、取締役会の承認を要する。”

という条文の項目です。

この条文記載があっても、株式を別の者に譲渡することは、可能なのです。

「譲渡制限のある株式だから、その譲渡は無効だ!」

とは言えないのです。

 

このような場合、

譲渡が先に行われたあとで、譲渡承認請求書が会社に届きます。

“この譲渡を承認しないのなら、

会社か会社の指定する者が買い取ってください。”

との内容で届くのです。

個人だったり法人だったり。

会社としては、やっかいな者が株主になることは避けたいので、

会社が買い取る、ということになります。

で、さらにその買取価格でトラブルに発展するのです。

 

この数年、

これをネタにして商売をする弁護士事務所も現れています。

ここでは詳しく書きませんが、

株式に取得条項を付けて、種類株式にして登記しておく、

という手立てで、相続時の株式分散や、

やっかいな譲渡承認請求に対抗することが可能なのです。

 

相続や譲渡に関する自社の定款がどうなっているのか、

その法的効力はどの程度のもので対抗策はあるのか、

といったことに対して、知識をもっておいてほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年11月14日 (月)

たまには定款を見直しなさい①

事業承継の案件に関わる際は必ず、定款を確認します。

しかし、定款のメンテナンスは案外されておらず、

いつか作成して登記したまんま放置され、

全く改訂されていない、ということが多いのです。

しかし、

定款は会社の根幹を成す重要なエビデンス(証拠書類)です。

もう少しその内容に、敏感になってほしいのです。

 

①株券の不発行

 

各社定款の概ね第6条くらいでしょうか。

“当会社は、株券を発行する。”となっている場合があります。

「株券、発行しているんですか?」

と社長に尋ねると、

「いやいや、そんなもの、見たこともないですよ。」

となります。

 

実際は発行などしていないのに、発行する、となっているのです。

おそらくどこかの時点で発行しないことにされているのでしょうが、

定款は変えずにそのまま、というパターンです。

「他も変えることがあるときに、一緒に変えよう。

 変更して登記するにも、お金がかかるから。」

とった理由が多いようです。

 

株券を発行する、となっていると、そのあとに必ず、

・株券の種類

・紛失時等、再交付の取り扱い

・再交付に係る手数料

といった条文が続いてゆきます。

3つくらい、条文が増えるのです。

“株券を発行しない”とすると、

それらの条文も削除することとなります。

それだけでも、スッキリした感じになるし、

実態と合わないより、違和感のない感じになります。

 

定款を変更するには、株主総会の特別決議が必要となります。

特別決議なので、3分の2以上の議決権による決議です。

過半数ではないのです。

定款変更はそれほどの、重要事項なのです。

 

定款には、株主、取締役、監査役の、

権利に関する取り決めが記載されています。

なので、事業承継やお家騒動の際には、

必ず確認することとなります。

 

特にお家騒動では、定款がどうなっているか、

ということが、事の行方を大きく左右します。

それくらい、定款は重要なのです。

なのになかには、

「定款がどうしても見つかりません。」

というケースもあるくらい、重要視されていないのです。

特に子会社でこのケースが多いです。

で結局、「ないなら作りましょう。」となるのです。

 

中小企業ではあまり触れることのない、

定款に関することを、書いてゆきたいと思います。

 

(古山喜章)

2022年11月11日 (金)

有姿除却(ゆうしじょきゃく)③

固定資産などを今後、使うことをストップして、将来にわたって、

以前と同じように使うことがないなら、

除却損を計上してかまわない、ということです。

 

実際にこの処理をするときは、

取締役会を開催して、

 

「この設備は、もう今後一切使わないので、

現状の有姿のまま、除却したい」

などと議事録に残すことが必要です。

 

まちがっても、そのあとで、

「やっぱり使おう」というのはNGです。

税務調査で発見された場合は、必ず否認されます。

 

ですので、本当に、「この設備は使わない」

というものに限って、有姿除却をしていただきたいです。

 

実際に行った有姿除却としては、

 

・金型

・機械

・ソフトウエア(システム)

 

あとは、「建物」も有姿除却している会社もあります。

 

例えば、3月決算の会社で、

保有している建物を5月に取り壊すとなった場合に、

今期の決算で建物を有姿除却するのです。

 

今後、絶対に使わないというのは明らかで、

どのタイミングで除却するか、がポイントです。

 

目先のキャッシュフローを良くするということでいえば、

早めに除却したほうがよいわけです。

 

これから決算を迎えるという会社は、

有姿除却を検討してください。

 

(福岡雄吉郎)

2022年11月10日 (木)

有姿除却(ゆうしじょきゃく)②

日本の会社では、たくさんの会社が3月決算になっています。

 

残すところ、あと4ヶ月ほど。

決算対策を行うには、ちょうどよいタイミングです。

逆にいえば、3月決算の場合は、この時期から、

決算対策をお考えいただきたいのです。

 

決算対策として、『有姿除却(ゆうしじょきゃく)』を検討してください。

 

国税庁が『有姿除却(ゆうしじょきゃく)』について、

説明しています。

 

それが次の説明です。

 

次に掲げるような固定資産については、

たとえ当該資産につき解撤、破砕、廃棄等をしていない場合であっても、

当該資産の帳簿価額からその処分見込価額を控除した金額を

除却損として損金の額に算入することができるものとする。

 

(1) その使用を廃止し、今後通常の方法により

事業の用に供する可能性がないと認められる固定資産

 

(2) 特定の製品の生産のために専用されていた金型等で、

当該製品の生産を中止したことにより

将来使用される可能性のほとんどないことが

その後の状況等からみて明らかなもの

 

難しく表現されていますが、

上の(1)(2)どちらかに当てはまる場合には、

除却損を計上できる、ということです。

 

(1)(2)とも共通しているのは、

今後、使うことをストップして、将来にわたって、

以前と同じように使うことがないなら、

除却損を計上してかまわない、ということです。

 

(福岡雄吉郎)

2022年11月 9日 (水)

有姿除却(ゆうしじょきゃく)①

日本の会社では、たくさんの会社が3月決算になっています。

 

残すところ、あと4ヶ月ほど。

決算対策を行うには、ちょうどよいタイミングです。

逆にいえば、3月決算の場合は、この時期から、

決算対策をお考えいただきたいのです。

 

決算対策として、特別損失で、除却損を出すことを勧めています。

 

除却とは、取り除くことや取り払うことをいいます。

 

固定資産について、長年の使用で耐用年数が到来したり、

また新しいものを取得して今まで使用していたものが不要となったりした場合に、事業で使用することを中止して帳簿から除く処理を指します。

 

一般的には、廃棄したり、スクラップにしたりする場合を、

除却と言います。

 

あったものが無くなるのですから、

これはどこからどうみても「除却」です。

 

ですが、これとは別の除却もあります。

それが、『有姿除却(ゆうしじょきゃく)』です。

 

これは読んで字のごとく、

姿、形が有る状態で、除却するということです。

有姿除却も、税務上、損金として処理することが認められています。

 

では、どんな場合に、有姿除却が認められるのか、見ていきましょう。

(福岡雄吉郎)

2022年11月 8日 (火)

会社の倒産を避けなければならない!  なぜなら社長は地獄の苦しみを味わうのです。

私は「倒産を避けよ!」 とうるさくも申しています。

会社を潰しても何ともなく過ごしていらっしゃる元社長がいらっしゃいますが、ほとんどは大きな悲劇に見舞われるからです。

 

不動産仲介会社株式会社ニシガキ(仮名)の西垣好男社長が特別養護老人施設で一人ぽっちで亡くなったと言う報を受けました。

西垣社長は二代目社長ですが、創業社長は憲兵上がりの父で、戦後メガバンク▲▲銀行専属の不動産会社として支店開発を一気に引き受け隆盛を極めていらっしゃいました。

自宅は青山にあり、高校・大学とスキーや馬術など絵にかいたボンボンで、恵まれた

リッチな生活をされて、親の跡を継いで事業を後継されたのです。

▲▲銀行の役員陣と人脈をガッチリつなぎ、事業の方も順風満帆でありました。

 

青山の高級住宅も会社名義、仕事で得た良好な不動産も銀行がバックになり、多くを所有していました。まさに絶頂期の二代目西垣 好男氏でした。

そして、絵に描いた様に毎晩、宴席をもうけ、別宅と個人の生活は乱れていったのです。

 

そこへあのバブルが弾けて、このメガバンクの▲▲銀行も他のメガバンクに吸収され、役員も総入れ替えされてしまいました。

当然、大借金を平然としていた()ニシガキは新たな銀行から返済を求められ、返せるような借金ではなく、たちまち会社は倒産、個人は破産となりました。

 

妻と離婚、四畳半一間の民間アパートへ、こんな時、前々から患っていた糖尿病が悪化して、50歳で両足切断となってしまったのです。

子供二人は学業もままならず、正に一家離散となって、妻も子供からも憎まれる有様になってしまいました。

 

市からの生活保護で生活する事30年、最後は特養に入り、入院時は市の厄介になって一人ぼっちで、あの世に78歳で逝ってしまったのです。

経済的に困窮し、家族からも見放され、両足切断の不自由な生活、正に経営者の悲劇を30年間見てきました。

 

景気の良さはいつまでも続きません。経営者の周りは天国と地獄が隣り合わせであることを多く見てきました。だから毎回 言うのです。

『会社を潰してはなりません!!』

『会社が潰れるのは 借入金の多さです』

(井上和弘)

2022年11月 7日 (月)

古山喜章の「新・決算対策セミナー」のおしらせです!

古山喜章の「新・決算対策セミナー」のおしらせです!

2022年度のお金の増やし方、税金の減らし方! インフレ期の経営が楽になる アイ・シー・オー・コンサルティング式 《新・決算対策》 | 経営セミナー・本・講演音声・動画ダウンロード【日本経営合理化協会】 (jmca.jp)

11月22日(火)大阪 帝国ホテル

11月29日(火)東京 目黒雅叙園・オンライン

で開催します!

 

円安、インフレという環境のなかで、

みなさまの会社の業績はいかがでしょうか?

 

3月決算の会社は、9月の中間期を終えて、

残すところあと5ヶ月ちょっととなりました。

今期の着地予想、どの程度になるでしょうか?

売上、営業利益、税引前利益は?

 

業績を落とさなかった会社は期末ギリギリで

「あぁ、こんなに利益が出るとは!!

 でも、税金はできるだけ払いたくない!」

と慌てて節税対策を行います。

反対に、業績を落とした会社は、

業績を落とさないように、本来するべきでないことにも

手を出そうとしてしまいます。

 

いずれにせよ、焦って行う対策では、

効果的な手は打てません。

用意周到にエビデンスを残しながら、

決算対策を行う必要があるのです。

 

そこで、アイ・シー・オーコンサルティング式の

決算対策セミナーを11月に

東京と大阪で開催させていただきます。

 

激変する経営環境のなかにあっても、

自社の財務体質を強くするための実務を

具体的な実例をまじえて、

1日かけて講義いたします。

 

決算書の見方から始まり、

銀行対策、税務対策を通じて

いかに社外流出を抑えるか、

つまり、会社にお金をためるかを、

丁寧に解説させていただきます。

 

当日、皆様にお会いできること、楽しみにしております。

 

(福岡雄吉郎)

2022年11月 4日 (金)

給与制度の変革時代④

「今の給与制度のままでは、

 これからの環境変化に適応しきれない」

と感じておられる中小企業の経営者が多いです。

30年間のデフレが終わりつつある昨今、

給与制度は変革の時代に入ろうとしているのです。

 

④人数を減らし賃金を上げ、人材確保力を高めなさい

 

顧問先の会社で、来年新卒採用の初任給を聞きました。

水道工事を主たる事業とする会社です。

経営者が言いました。

「今回はぐっと上げて、303,000円です。」

「えっ!30万ですか!」

「それぐらいしないと、今の世の中、

水道工事屋に新卒なんてきませんよ。」

と言われ、まあ、それもそうだな、と納得してしまいました。

 

「ということは、他の社員もそれなりに、給与を上げるんですか?」

「まあ、そうなるでしょうね。」

その会社は、顧客のニッチなニーズに対応する、高収益体質です。

そもそも、これまで高額の賞与を支給しています。

その部分を世間並みに抑えれば、基本給を大幅に上げても、

トータル的な労務費でいえば、そう大きく上げずに対応できる、

というわけなのです。

社員にしても、賞与が減っても月齢給与が上がり、

年収ベースで変わらなければ、不満は出ないのです。

 

今後、賃金相場は間違いなく大きく上がります。

その相場に大きく乖離がある給与では、人材を確保することは、

とうていできないのです。

では、今の人数で給与を大きく上げれるか、と言えば、

多くの中小企業は対応できないはずです。

冒頭にあげた会社も、少人数で運営する形にしたからこそ、

新卒初任給を大きく上げることができたのです。

 

人数を1割減らし、給与を1割上げる。

まずはこの数字を目標に、

デジタル化、システム化、機械化、ロボット化、

などにより、生産性を向上させることです。

 

加えて、提供する商品・サービスの価値を高め、

売上総利益を上げるのです。

「あんたとこやないと困る。」

と顧客から言われる存在になることです。

それが、商品力であり、粗利益となるのです。

 

粗利益を上げ、人員数を減らし、賃金を大きく上げる。

その際の給与制度は、

業績貢献度の大きい立場・役割ほど、大きく報いる制度にする。

高コスト時代となる今後、

人材確保力の強い会社が、より強い会社となってゆくのです。

 

(古山喜章)

2022年11月 2日 (水)

給与制度の変革時代➂

「今の給与制度のままでは、

 これからの環境変化に適応しきれない」

と感じておられる中小企業の経営者が多いです。

30年間のデフレが終わりつつある昨今、

給与制度は変革の時代に入ろうとしているのです。

 

➂職能資格型より、職務資格型が現実的

 

中小企業を含めて日本の多くの会社は、

今も職能資格制度による給与体系で運営しています。

それが、「Aさんは〇等級の〇号俸」という形で

基本給を決める仕組みです。

1等級から2等級へと等級が上がるには、

人事考課や昇格試験を連携させます。

 

そして、各等級に所属する社員から、

その等級に見合った役職者を選びます。

3等級は主任・係長、などと、能力と役職をひもづけているのです。

その等級の人物は、その役職となる仕事の能力がある、

という考え方です。

なので、まずは係長なら係長に該当する等級になることが、

先決になります。

 

しかし、大企業はともかく、

中小企業の場合、そもそも有能な人材が少ないです。

その等級から選ぶ、というほど潤沢な人員状況ではありません。

 

「店長は3等級なんですが、他に3等級の社員がいません!」

出店が続いた小売業の会社で、このようなことがありました。

「じゃあ、2等級の山田さんを3等級に上げて店長にしよう。」

と、等級昇格のルールなどおかまいなしに、

無理くりに3等級にあげて店長にしたのです。

その後もそのような人事が乱発し、

イレギュラーな対応ばかりになっていったのです。

 

結局、その会社では

「うちにこの制度では、実態とそぐわない。」となりました。

変わって始めたのが、職務資格型です。

店長になれば3等級、という具合に、

職位を優先する制度に変えたのです。

そうすれば、待遇も職位に合わせて変わります。

役職を降格すれば、給与も減ります。

 

「うちにはこのほうが使いやすい。」

となり、今も職務資格型の給与体系で運営されているのです。

「職能資格型はなじまない」

「処遇に不具合が多々生じている」

という会社は、役職で等級を決める、

職務資格型の給与制度への見直しをお勧めしたいのです。

 

(古山喜章)

2022年11月 1日 (火)

給与制度の変革時代②

「今の給与制度のままでは、

 これからの環境変化に適応しきれない」

と感じておられる中小企業の経営者が多いです。

30年間のデフレが終わりつつある昨今、

給与制度は変革の時代に入ろうとしているのです。

 

②何歳まで年齢給を引き上げるのか

 

呼び名はさまざまですが、

給与の一部に「年齢とともに増える部分を設けている。」、

という中小企業は多いです。

よくあるのは「年齢給」と言う名称です。

 

〇等級の〇号俸で設定された基本給に、

年齢給をプラスする形です。

極端な場合、〇等級の〇号俸が変わらずとも、

年齢が1歳増えれば、給与全体が少しながら増えます。

 

この「年齢給」を何歳になるまで引き上げてゆくのか、

については、各社いくつもの考え方があります。

55歳まで、50歳まで、45歳まで、等々。

多いのは、50歳まで、くらいのパターンです。

 

しかしこの「年齢給」も、昨今の賃金事情において、

足かせになっています。

40歳を過ぎるころには、

成長する人材とそうでない人材はほぼ、見えてきます。

なのに、50歳まで年齢給を引き上げる仕組みの場合、

成長しない人材にも、50歳まで年齢給が加算されてゆくのです。

で、若い社員に振り向ける給与の原資が足らない、

という状況に陥ってゆきます。

 

年齢給が引きあがるのはせめて、35歳までにしたいところです。

その程度までなら、年齢を追うごと、

実務経験で習熟が高まるスキルはあるでしょう。

しかしその先は、

「本人の貢献度に応じて加算する。」でいいのです。

 

50歳まで年齢給が加算される、等という仕組みは、

年功序列型そのものです。

これから若い人材を獲得育成するのに、

入社時から10年くらいまでの給与を魅力的にしておかないと、

人材確保はできませんし、定着もしません。

 

中小企業の給与原資は限られているのです。

どの世代に対してより厚く報いて有効活用するのか、

見直す時期に差し掛かっているのです。

 

自社の給与における年齢加算が何歳までになっているか確認し、

必要あれば、「年齢給」の制度を見直してほしいのです。

 

(古山喜章)

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