マイナス決算を活用して埋蔵金を掘り起こしなさい➂
「今年は原料高と光熱費の高騰で、
どう転んでも決算の当期純利益はマイナスになりそうです。」
という声を聞く機会が、今年は時折あります。
しかし、そのような時にこそ、
取り組んでいただきたいことが、あるのです。
➂倒産防止共済の解約
最終の当期純利益が赤字になるなら、
いっそのこと、倒産防止共済の掛け金を解約する、
ということも考えてほしいのです。
倒産防止共済は、月額最高20万円、
年額の掛け金が最高240万円まで、
累計の掛け金が最高で800万円まで、
となっています。
政府系機関による、中小企業の資金繰りを支える、
セーフティーネットのひとつです。
掛け金は全額損金で計上できます。
なので、掛けている、という中小企業は多いです。
ただ、最高240万円までなので、4年足らずで
満額にまで到達し、あとはそのまま放置されます。
なかには、
「加入していないので入ります!」と言いながら、
「調べてみたら、すでに入っていて、
満額800万円に到達していました!」
ということもあるのです。
特に、後継者が加入しようとしたら、
先代がかなり以前に加入していて、
満額のままになっていた、というパターンが多いです。
で、赤字のときに解約し、
来期はまた新たに、加入すればいいのです。
解約しても、何度でも繰り返し加入できるのです。
子会社がある場合、各社で加入しておけば、
それなりのまとまった金額にもなります。
解約返礼金を雑収入で計上すれば、
経常利益のプラス要素にはなります。
どうせ赤字決算なら、この際、
蓄積していた倒産防止共済を解約してキャッシュを得て、
また次年度、再加入して損金計上に活用すればよいのです。
赤字決算の見込みであれば、ぜひとも、
倒産防止共済の加入状況を確認しておいてほしいのです。
(古山喜章)
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