マイナス決算を活用して埋蔵金を掘り起こしなさい①
「今年は原料高と光熱費の高騰で、
どう転んでも決算の当期純利益はマイナスになりそうです。」
という声を聞く機会が、今年は時折あります。
しかし、そのような時にこそ、
取り組んでいただきたいことが、あるのです。
①含み益のある投資有価証券
貸借対照表の資産に、投資有価証券がある、
という会社は多いです。
中身はさまざまです。
取引先大手上場企業の株式であったり、
単純に“儲かりそうだから”と買った株式、等など。
「そんなものは売ったほうが、
総資産が小さくなって、ROA(総資産経常利益率)も、
よくなりますよ。」
と言っても、
「いやぁ、今年は最終利益がプラスになるし、
うちが持っている株は、含み益があるので、
いま売却するのは、ちょっと…、やめておきます。」
となることが、往々にしてあります。
要は、売却して利益が出て、税金を払う、
ということが、もったいないのです。
これはこれで、その気持ちはわかるのです。
ならば、そのような含み益のある上場株式は、
最終利益がマイナスになるようなタイミングで、
売却してほしいのです。
特に今年は、コストインフレです。
原料高、光熱費高騰、労務費高騰、運賃高騰など、
業績への悪影響を受けている中小企業が多いです。
「売価への転嫁はまだまだ…。」という会社が多いのです。
そのような会社にとって、
含み益のある投資有価証券の売却は、
絶好の売りタイミングなのです。
売却時の含み益は特別利益になりますが、
売却前の税引き前利益が大きなマイナスなら、
含み益を吐き出す売却処理をすればいいのです。
会社保有の投資有価証券に、いくつもの会社の株式があると、
「売却益が出ている株があるかどうか、確認しないとわかりません。」
という場合もあります。
最終利益がマイナス決算になりそうな会社は、
投資有価証券があればその中身を調べて、
含み益のある株式はぜひとも、売却してほしいのです。
このように、最終利益がマイナスだからこそ、
処理しておきたい埋蔵金が、会社に眠っている場合があります。
そんな埋蔵金に、スポットを当てていきたいと思います。
(古山喜章)
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