なぜ、貸借対照表を見ないのか①
月次決算をすれば、毎月、
損益計算書と貸借対照表を見ることができます。
ところが、「貸借対照表を毎月見ます」
という経営者は、ほとんどおられません。
会社のお金の状況や財務体質がわかるのは、
貸借対照表なのに、見るのは損益計算書ばかり、なのです。
なぜ、貸借対照表を見ないのか?考えてゆきたいと思います。
①見かたがわからない
“そもそも貸借対照表の見かたがよくわからないです。”
という方が多いです。
見かたにも、次の3つの観点があります。
1)どのような仕組みの資料かわからない。
2)どこから見たらいいのかわからない。
3)いい、悪いの判断がつかない。
損益計算書は、売上高、原価、経費、営業利益など、
経営者であろうとなかろうと、
聞きなじみのある言葉が多いです。
売上高から原価と経費を引いたら営業利益、
という構造も、教えてもらわずとも、イメージできます。
“損益”という言葉からも、
損したのか儲かったのか、という事を示す資料である、
と察しがつきます。
ところが貸借対照表になると、なじみのある言葉が少なく、
表の仕組みがどうなっているのか、よくわかりません。
損益計算書なら、営業利益が多ければいい、
売上高は小さいよりも大きいほうがいい、
などと、善し悪しの察しがつきます。
貸借対照表は、その数字を見ても、
いいのか悪いのかが、よくわからないのです。
貸借対照表は、その仕組みや言葉の意味を、
自ら学ばないとわからないのです。
貸借対照表はわからない、
という経営者がこんなにも多いのは、
貸借対照表とはどのようなものなのか、
学んでいない経営者が多い、ということなのです。
では、なぜ貸借対照表を学ぼうとしないのか、となります。
学ぶことが嫌い、時間を割きたくない、面倒くさい、
他の事は学んできたけど、貸借対照表の勉強は必要性を感じなった、
等といったことが、その理由かと思われます。
確かに貸借対照表は、学ばないと読みかたはわかりません。
しかし、読みかたを学ぶといっても、
そう時間がかかるものではありません。
仕組みやその言葉の意味を知れば、ある程度は読めます。
自社の課題も見えてきます。
世間には、貸借対照表の読み方を書いた本やセミナーは、
山ほどあるのです。
貸借対照表を学び実践し続けた経営者は、
間違いなく強固な財務体質の会社へと育て上げておられます。
あまりこれまで貸借対照表を学んでいない、
という方は、ぜひともICOの書籍を読むところから、
始めていただきたいのです。
(古山喜章)
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