アナログ工場では勝てません①
中小企業の工場には、
アナログ要素がまだまだたくさん残っています。
“日本の生産性は低すぎる!”
と言われても無理がありません。
しかし、いつまでもこのままでは、ライバルに勝てないのです。
①複写式のカーボン紙を使っています。
ある部品メーカーでのことです。
その工場では、
生産管理部門で受注し、各現場での生産に落とし込みます。
生産管理から各現場へ生産指示を出すのです。
工場幹部に聞きました。
「生産現場への生産指示はどういう方法でやってますか?」
「はい!管理部門で生産指示書を作成して、
各現場のリーダーに渡します。」
「?渡します、ってことは、紙ですか?」
「そうです。」
「どんな紙で、どうなってゆくの?」
「3枚複写のカーボン紙にプリンターで印刷します。
1枚は現場、1枚は資材、1枚はこちらの控えです。」
いまどき、カーボンの複写式伝票など、
20代の新入社員には、理解できない代物です。
それでも実際に、まだ使っている会社があるのです。
さらに聞きました。
「もとの受注データは、電話とファックスですか?」
「そうですね。さすがに電話は少ないですが、
ファックスで注文を受ける、というのが多いです。」
「オンライン受注とか、しないんですか?」
「検討したことはあるんですけど…。」
「どうなったんですか?」
「いやぁ、オンライン対応できる得意先は一部だから、
ということで、先送りになりました。
で、そこで止まったままです。」
結局、電話とファックスで受注し、
そのデータをパート社員が入力しているのです。
そして、受注量から現場の生産計画を見直し、
日々の生産数を確定させ、指示書への入力をしていたのです。
そのデータを印刷して、複写式の用紙を分けて、
各現場や資材担当へ、伝票を回していたのです。
今の時代からすれば、ふたまわりくらいの、時代遅れです。
今どきの進んだ工場なら、
受発注はオンラインで受けて、
そのデータを活かせば、受注の入力は要りません。
受注データから各現場の生産数を自動算出し、
生産指示に落とし込むので、入力や印刷は不要です。
各現場はPCかタブレットで生産指示を見るので、
伝票を運ぶ人はいないし、保管の手間もありません。
とにかく人が介在している作業が多すぎるのです。
これでは、今どきのスタイルの工場には絶対に勝てないのです。
労務コストは一時的でなく、今後も上がります。
生産性向上のシステム費用なら、
即時償却で全額一気に費用化できます。
付加価値のないことに、高い労働コストを費やすのは、
もうやめてほしいのです。
(古山喜章)
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