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2023年2月24日 (金)

アナログ工場では勝てません➂

中小企業の工場には、

アナログ要素がまだまだたくさん残っています。

“日本の生産性は低すぎる!”

と言われても無理がありません。

しかし、いつまでもこのままでは、ライバルに勝てないのです。

 

➂棚卸に時間をかけない

 

ある食品工場でのことです。

月次決算が遅く、15日にならないと出来上がりません。

その要因を挙げてゆくと、

工場の棚卸が4日にならないとまとまらない、

ということがわかってきました。

 

食品工場の棚卸なので、

材料、仕掛品、製品、包装資材などがあります。

集計に4日もかかっていたら、

そのうちにも在庫は動き、確認のしようもありません。

なぜそうなるのか、実態を確認してゆきました。

 

実態はこうでした。

現場担当者が月末に数字をとり、その数字を紙の棚卸表に記載します。

数字の記載された棚卸表を、管理部門のパート従業員が入力します。

しかしその時点で、前月にはなかった品目や、

どう考えても単位間違いではないか、

という数字の記載が見つけられます。

で、現場に確認します。

品目の追加や、入力の修正をすることになります。

そんなやりとりをしている間に、4日になってしまうのです。

まさに、昭和の時代と変わらぬ棚卸の集計作業が、

今も行われていたのです。

 

今どきの工場の棚卸業務は、完全にデジタル化しています。

・数を数えてタブレット端末の棚卸表に入力する。

・新たな品目は棚卸以前に、入荷時点で登録データが棚卸表に反映されます。

・おかしな入力データがあれば、

『単位間違いがないか』確認画面が表示されます。

・現場で入力したデータを確定送信させれば、棚卸終了です。

月末当日に、データがまとまります。

最近は、数を数えることなく、カメラを向けると、

画像認証でモノと数を認識し、棚卸データに反映される、

というシステムも運用されています。

 

昭和時代の棚卸業務は、人手中心です。

労務コストが大きいです。

間違いも多いし、時間もかかります。

それに比べて、デジタル手法の棚卸業務であれば、

人手もコストも削減でき、時間短縮もできます。

 

アナログ工場では、令和時代の競争に勝てないのです。

かつての人海戦術から脱却して、

デジタルツールを活用してほしいのです。

メーカーの経営者は、

工場内でのアナログ作業を撲滅できているか、

改めて確認してほしいのです。

 

(古山喜章)

 

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