アナログ工場では勝てません②
中小企業の工場には、
アナログ要素がまだまだたくさん残っています。
“日本の生産性は低すぎる!”
と言われても無理がありません。
しかし、いつまでもこのままでは、ライバルに勝てないのです。
②人が運ぶのをやめなさい
ある部品メーカーでのことです。
ひとつの生産ラインのなかで、工程間に隙間が空いていました。
前工程から出てきた製品を作業者が手にとり、
後工程へ送り出す、ということをしていました。
そのちょっとした運搬のためだけの、作業者がいたのです。
前工程と後工程を繋げれば、その作業者は不要になります。
一目見れば、それはわかることです。
しかし、それを言うと、現場から反論が出ました。
「そうなんですが、ここに隙間があって通路がないと、不便なんです。」
「前工程のほうが処理スピードは速いので、
後工程にそのままつなげると、早すぎるんです。
だからここで少し間引いているんです。」
通路はラインの隙間を縮めれば、違う場所にできます。
前工程と後工程の処理スピードが異なるなら、
設備を改良してでもスピードを合わせる工夫が必要です。
そうすればいいだけです。
中小企業のメーカーの多くの現場では、
このように何の工夫もせず、現状のままで作業をしようとします。
それではどんどん遅れていきます。
先ほどの案件でも、前工程と後工程の間に、
絶対に隙間が必要であれば、自動運搬ロボットや、
アーム型の移送ロボもあります。
手立てはいくらでもあるのです。
変えることへの抵抗があると、何も前には進まないのです。
メーカーの工場内でモノを運ぶ、移動する、ということに、
人手を費やすのは、極力減らすことを考えなければなりません。
人手の労務コストは高いのです。
それに、運ぶ、移動する、ということはお客様にとって、
なんの付加価値にもならないことです。
そんなことに、高い労務コストをかけないでほしいのです。
「機械やロボットはもっと高いです。」
という方がおられますが、機械のほうが安くつきます。
工場で人がいれば、駐車場、白衣、ロッカー、健康診断など、
附帯する経費が膨らみます。残業代もばかになりません。
セクハラやパワハラなどの心配もありません。
少なくとも、運ぶ、移動する、
といったことには、機械・ロボットで対応することに、
取り組み続けてほしいのです。
今なら生産性向上の設備は即時償却可能です。
一か所取り組めば、第二歩、大散歩は、進みやすいものです。
まずは最初の第一歩を、踏み出してほしいのです。
(古山喜章)
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