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2023年3月

2023年3月31日 (金)

会社は常に評価されている④

人が集まらない

新卒が入ってこない、

人材流出が相次いでいる

という会社は、参考までに転職サイトを見てみてください。

 

基本、転職者のコメントということで、

本音が書かれています。

 

なぜなら、これから入ろうとする

入社予備軍の方は、

だいたい、こういったサイトをチェックするからです。

 

そこで、評点が低い、否定的なコメントばかり並ぶと、

やっぱり志望度合いは下がっていくのです。

 

もちろん、単なるグチ、恨み、つらみ、に近いコメントも時々ありますが、

そういうのは、右から左に流せばよいのです。

 

これを見ていると、

外から見てキラキラしている、

急成長しているような会社であっても、

中で働いている社員は、グチ、不満だらけ、

くすぶっていたりします。

 

いわゆる外ヅラのよい会社があぶり出されます。

 

転職サイトの代表的なものは、

Openwork

「転職会議」

などです。

 

ある会社が、なかなか若手が定着しない、

入社してこない、と悩んでいました。

 

その会社のコメントを見ると、

社宅はあるけれど、2人で一つの部屋を共有するようになっていて、

それに対して、否定的なコメントが並んでいました。

 

利益の出ている会社なので、

リノベーションして、1人1部屋にすればよいのです。

こういうところは、意外に、経営者は気付いていないのです。

(福岡雄吉郎)

2023年3月30日 (木)

会社は常に評価されている③

特に、BtoCのご商売をされている経営者であれば、

ぜひ、一度Googleレビューを見ていただきたいです。

 

とある地域の小売業の経営者が

業績の伸び悩みで悩んでいました。

 

狭い商圏内で、ライバル店が複数あり、

競争は激しいです。

 

また、新たにライバルが進出する話も浮上していて、

危機感を強めています。

 

客単価は、昨年より微増、

ところが、客数は、昨年より大幅減となっています。

そのあたりは、経営者が毎日、試行錯誤しながら、

粗利額を増やそうと汗を流しています。

 

「社長、なんで、お客さんの数が減っているんでしょうか?」

 

「んー、それが分かれば苦労しないんですが・・・

ただ、売価設定が高すぎたかもしれません。

このあたりは、一度見直しが必要だと思っています。

もちろん、売上を追いかけるつもりはありませんが、

粗利額は、単価×数量ですので、ちょっと考えます。」

 

「そういった販売政策とは別に、

お客さんは、うちの店舗のこと、

どう思っているか、分かりますか?」

 

「いえ、どう思っているのか、正直、よく分かりません・・・」

 

Goole レビュー、見たことないでしょうか?

★が3.5、レビューの数は、350個ありますよ。

よく見てみると、

“○○店舗の深夜のレジの店員の態度が悪い”

というコメントが結構ありますね。」

 

「えーっ、そうなんですか。。知らなかったです。。

誰だろう・・・調べます。

コメントを見ると、ありがたいものも、クレームっぽいのもありますが、

改善できるところもありそうです。」

 

(福岡雄吉郎)

2023年3月29日 (水)

会社は常に評価されている②

特に、BtoCのご商売をされている経営者であれば、

ぜひ、一度Googleレビューを見ていただきたいです。

 

とある地方で、繁盛している歯医者があります。

 

「なぜ、繁盛しているのですか?

なにか、特別なことをされているのでしょうか?」

 

「うちは、google レビューに気を配っています。」

 

たしかに、その歯医者を検索すると、

投稿が80以上あり、

しかも、星が4つ以上あります。

パッと見て、すごい数です。

 

「実は、治療がおわった、おじいちゃん、おばあちゃんに、

別室に移動してもらって、

スマホから入力してもらっています。

操作を教える人は、一人つけています。」

 

いわゆる、サクラレビューとは違いますが、

クリニック主導で、レビュー、コメントをつけてもらっているのです。

 

なぜ、こんなことをするのでしょうか?

 

あっ!と思いました。

 

私自身、かって、歯が痛くなったときに、

どうやって歯医者を検索したかといえば・・・・

 

Googleレビューで、『歯医者』と検索したではありませんか!

そして、たくさん提示された歯医者から、

コメント数と星の数で、そこそこある歯医者を

選んでいたことを思い出しました。

 

その歯科医いわく、

「お年寄りは、時間を持て余しているので、

ちょうどいいんですよ。」

 

(福岡雄吉郎)

2023年3月28日 (火)

会社は常に評価されている①

会社の信用を測るものとして、

帝国データバンクや東京商工リサーチによる信用調査

があります。

 

会社の財務状況から経営者の資質など、

数字で測れる定量評価と数字で測れない定性評価と

色々な側面か評価され、点数付けされます。

 

こうした評価は、一般的ですが、

それ以外にも会社は、

色々と評価されるようになりました。

 

それは、一般消費者からもそうですし、

在職中、あるいは、退職者からもそうです。

 

インターネット、SNS全盛の時代、

会社は、ありとあらゆる人から、視点から、

評価されているのです。

 

そして、そうした評価は、

無視しづらくなっています。

いや、無視しづらいというより、

それらを積極的に活用していくことも、

求められようになったと感じています。

 

一度見ていただきたいものは、

Googleレビュー

Open work などの転職サイトからの評価

です。

 

ご覧になったことがない、

という方は、是非とも一度、わが社がどう評価されているか、

チェックしていただきたいです。

(福岡雄吉郎)

2023年3月27日 (月)

不況と闘い 耐えられる体質体力に変えよう

1,スモール イズ ビューテイフル

「強小は弱大に勝る」という著書は 我が師匠の田辺昇一先生のものです。1986年代は真逆の言葉「数は力なり」と称して,スーパーのダイエー、マイカル等のチエーン理論で多くの会社が規模の拡大を狙って売上競争をしていた時代だったのです。

 

中小企業の多くの会社がアメリカ輸入の多店舗理論で売上を拡大していました。

アメリカ戦術理論輸入の店舗拡大は、日本でそれを行おうとすると固定資産(土地)建物(耐震性) 流通(問屋)等で投下資金が過大になる課題があり、借入金調達に問題があったのです。

 

私の目の前で多くの外食産業や小売業、卸業、建設業のトップが借入金過大で挫折していったのです。挫折した経営者の共通点はあまりにも財務知識に乏しかったことでありました。

 

小さな会社の長所はなんでしょうか?

  • 小回りが利き、動きが速い 機動力がある
  • 組織の末端まで神経、コミュニケーションが図れる
  • どこで利益が生まれ、どこで利益が漏れているか
  • 貢献人材とさぼり人材が見つけられる
  • メタボ体質にはなりにくい

などがあります。

 

経営コンサルタント歴50数年、振り返って見ると規模が100億~300億の売上の会社と30億~60億の会社を考えてみると後者の30億~60億の会社が意外と収益性が良く安定性に優れているのです。

200億円年商の会社は、すぐに200億になったのではなく、30億、60億、80億、100億と段々になっています。200億になって規模は大になっても、売上回転率、売上経常利益率、自己資本比率の経営指標がよくはなっていないのです。

 

 

2,アメーバー経営とは何

京セラ創業者 稲盛和夫氏が自ら考案した管理手法です。

アメーバー経営手法とは、小組織(アメーバー)の集団ごとリーダーを決め、部門採算する。収支は明確にして、次の小集団に渡し、全員が利益貢献するという管理手法である。

会社が大きくなれば一人ひとりの貢献度は目にも見えずらく、誰かがやってくれるであろうというもたれ意識や一人個人の充実感も貢献度も感じなくなってしまう大企業病に陥ってしまいます。大組織の中へ小さな個は埋没してしまう。

 

生産性とは投入に対して産出がいくらかといった算数割り算の計算ではなく、人間の持つ心の問題なのです。

自分の働く職場の仲間と協力して働き、お金として計算された価値利益を生み出しているのです。自分も一人として努力し貢献して、目に見える化をしてくれてはっきり解るようにする。その結果、「よし、もう少し頑張れ 結果が出るように工夫してみる」といった態度を示してくれるようになります。

 

背に押し込みの重さを感じ、大きく掛け声を出し持ちこたえ、参加している充実感を味わえば、人間は嬉々として重さの苦しみが快感になるのです。

 

組織に埋没してしまわない、一人ひとりが生き生きと働く組織にしないといけない。大きな組織になると働く一人ひとりの充実感が感じられなくなる欠点があるのです。稲盛氏は松風時代の中小企業での職場体験でそれを感じとったのでしょう。

(井上和弘)

2023年3月25日 (土)

悩ましい株主はいませんか ④

「実は、うちにはこんな株主がいて困っています。」

という相談を受けることが時々あります。

その多くは、先代からの負の遺産であったり、

やるべき処置を行っていなかった、というものです。

しかし、今の経営者や後継者にとっては、

悩ましい株主で、どうにかして解決したいのです。

 

④株主不明の株があります(2)

 

株主不明の株が10%ある会社で、その処置をどうすればよいか、

となりました。

別表にには“その他”と書かれており、

会社に現存する資料では、最も古いものでも“その他”です。

要は、どこの誰だかわかる術がまったくありません。

 

そのような場合、正式な処置方法はどのようなものなのか、

司法書士に確認してみました。

「その場合、官報に掲載して、

相続該当者からの申し入れを募る期間が一年間、

必要になります。

で、誰も申し入れがなければ、株主総会で償却処分を決議します。」

とのことでした。

まともに処置すれば、一年間以上、時間がかかるのです。

そんなことをしたところで、

誰も申し入れてこないことは、目に見えています。

また、申し入れられても困ります。

 

株主不明のことを知るのは、社長と総務部長と私の3人です。

なので、

非同族である上田総務部長に協力いただきました。

不明の10%は社内管理の株主名簿から抹消し、

上田総務部長の名前に変えたのです。

 

その後、会社に関わりのない、

他の親族が持つ株式を会社で買いました。

その結果、株主は社長と上田部長だけになりました。

株主が2名になった時点で、定款変更を行い、

上田部長の株を種類株式に変えました。

議決権無し、配当優先付き、取得条項付き、の株式です。

この時点で、社長の議決権は100%となりました。

要した期間は、半年弱でした。

 

杓子定規に事を進めれば、官報への掲載などして、

1年半近くはかかったと思われます。

その間、何が起こるかわからず、ひやひやするだけです。

それであれば、内々に処理するやり方で、構わないのです。

しかし、顧問税理士などの有資格者に相談すれば、

そんなことを許さない方がほとんどです。

 

株に関して、今回のような、

“どうすればいいのかわからない”、

ということは、中小企業ではありがちのことです。

そんなとき、相談相手を間違えると、大変なことになります。

まずは、私たちICOにご相談いただければ幸いです。

 

(古山喜章)

2023年3月24日 (金)

悩ましい株主はいませんか ➂

「実は、うちにはこんな株主がいて困っています。」

という相談を受けることが時々あります。

その多くは、先代からの負の遺産であったり、

やるべき処置を行っていなかった、というものです。

しかし、今の経営者や後継者にとっては、

悩ましい株主で、どうにかして解決したいのです。

 

➂株主不明の株があります(1)

 

ある社長から相談がありました。

「うちの株主名簿をみたら、株主不明の株があるんです。」

「不明?って、どういうことですか。」

「誰が持っているかわからない、という事みたいなんですが…。」

 

その社長は、先代から株式をじわじわと贈与され、

40%を持っておられました。

残りの60%は、先代の親族数名がお持ちでした。

その先代がお亡くなりになり、残りの60%をどうするか、

というタイミングで株主名簿を見たのです。

そのとき、“不明”と記載されていることに気づいたのです。

 

社長に聞きました。

「その“不明”というのは、何%あるんですか?」

「10%あります。」

「決算時に税務署へ提出する、同族判定の別表2には、

 どう記載されているんですか?」

「あ、どうでしょう?確認してみます。」

となり、確認したところ、“その他”と書かれていました。

「なるほど、それはよかったです。

 不明、なんて書かれていると、対応がやっかいですからね。」

 

もうひとつ、社長に確認しました。

「株主総会や配当は、これまでどうされてますか?」

「まったくやったことがないです。

 取締役会も、一度もやったことないです。

 議事録だけ、司法書士の先生にお願いして、作ってもらってます。」

やはり、というか、中小企業の法的意識は、

その程度のものなのです。

 

「社長、この件は他の誰かに相談しましたか?」

「いえ、誰にも相談しようがないので、してません。」

「じゃあ、この“不明”の株主がいる、

ということを知っているのは、どなたですか?」

「私と、総務の上田部長と、古山先生だけです。」

「会計事務所は?」

「担当も何度か変わっているし、

株主名簿なんて聞かれたことないので、知らないでしょうね。」

「ということは、知っているのは、

 上田部長を含めてわれわれ3人だけですね。」

「そういうことです。」

「わかりました。それならなんとかなりそうです。」

「そうですか。よろしくお願いいたします。」

となり、“不明”株主を抹消する動きに入ったのです。

続く…。

 

(古山喜章)

2023年3月23日 (木)

今、又 M&Aの現場に立って!

私の事務所に老経営者がⅯ&Aの相談にお見えになっている。

大塚社長(仮称) 75歳は 創業50年 年商50億 無借金体質になり、自己資本比率80%超の優良会社をお創りになり、奥様を早くに亡くされて、お子様はいらっしゃらない。

 

後継者創りに失敗したとおっしゃる。

過去に2人ほどこれ! という人物が居たが、独立され関係がなくなったとのこと。

 

銀行や弁護士からはM&Aを進められるが、どうも踏ん切りがつかないと言われて、私の意見を聞きたいと15年ぶりにお越しになられました。

 

①50年間 必死になって作り上げた会社を経済的金銭的価値だけで売却するのは自分で納得がいかない。

②他社とは異なる「異質な商品」「ブランド力」を堅持し、後年にわたりこれを守ってくれるだろうか?

③「会社売却」というニュースが同業界に流れるだけで恥ずかしいことであり、事前に秘密は洩れないのか?

④生活を共にしてきた中堅幹部達の生活保障を守ってくれるだろうか?  

 私だけ良い目をしていいのか?

⑤コロナ禍によってわが社も収益性が弱っている。まして業界もなお更、買う会社があるだろうか?

⑥やったこともなくMAの知識も全く全員なく どうしたらいいのか?

 

不安が頭の中をグルグル、夜もしっかり眠れない。

しかし、年齢を考えれば死ぬ間際まで経営の陣頭には立てない、とおっしゃる。

 

私の発言

①気持ちの整理はつかないもの

 老境に入った経営者の悩み、人生の最期が近づいている現実、いつまでも先頭に立って会社を愛することを神はそれを許してはくれない現実があるのです。

人間の悩みは「情の理屈」を推し進めても、その「愛」は続けられないのです。

「理」で解決するしかないのです。

 

社長の使命は、自分の亡き後も会社を守りその「ブランド」を存続させることであり、買収した新社長が会社のブランドを曇らせることなく輝かせることです。

大切な幹部諸兄の生活基盤を守ってくれるだろうかという心配は全ての社長が悩まれることです。

 

そもそも中小企業のMAで、対象会社を買収するということは、その会社の価値を買うことで、経済的価値以上に今後とも「金の卵」を産んでくれる「会社組織体」を購入することであり、それは「ブランド価値、社員、歴史」なので M&Aによって それも当然 引き継いでくれる事が条件にあります。

 

②買収する会社のブランドが高く評価される場合、当然にブランド価値(商品力、製造力、ノウハウ)がすべて引き継がれることが条件なので、引退する経営者についているノウハウをぜひとも残してもらいたいのです。

 

➂当然、優秀な会社とは、その社員の集合体が独自のノウハウを持っているので

人材がMA成立とともに消えてしまったのでは意味はないのです。

 

④秘密保持はMAに関係するコンサルタント会社の生命線であって、秘密保持契約は書類でサインされるのです。

 

⑤企業買収、MAは不況期によく発生し、強い会社がこの時に行動するのです。

 

M&Aなどは売るほうは初めてで 買う方は経験者。売る側に立つ強いプロのコンサルタントを味方につけて(契約して) 対処すればいいのです。

M&Aの世界では、日本の場合 売る会社1社に対して、買いたい方は3~4社で、極端に売る方が少ないのが現状です。

アメリカはこれが反対なのです。

 

わが社もセカンドオピニオンとして忙しくなりました。

(井上和弘)

2023年3月22日 (水)

悩ましい株主はいませんか ②

「実は、うちにはこんな株主がいて困っています。」

という相談を受けることが時々あります。

その多くは、先代からの負の遺産であったり、

やるべき処置を行っていなかった、というものです。

しかし、今の経営者や後継者にとっては、

悩ましい株主で、どうにかして解決したいのです。

 

②すでに亡くなっている株主がいます(2)

 

10年以上前に退職し、すでに亡くなっている、

2名の元社員の株主をどう処理するのか。

顧問税理士は、

「相続人のところに申し入れて、

 会社で買いもどすように相談してください。」

というものの、そんなことをしたら、

株価を算定して高く買わねばならない、という危険があります。

 

その社長に聞きました。

「そもそも、その相続人の方は、

 自分の親が株式を持っていた、という認識あるんですか?」

「ない、でしょうね。

 あるなら、お二人とも亡くなって数年たっているのに、

 なんらか問い合わせがあるでしょうから。」

「株主総会の通知も何も、これまで送っていないんでしょう。」

「一度も送ったことないです。」

「配当は?」

「配当もしたことないです。」

「だったら相続人だけでなく、本人さえ忘れていたんじゃないですか?

 株主であることを認識する術が、何もないですからね。」

「そうなんですよ。たぶん、株主としての自覚がなかったと思います。」

 

株主としての扱いをまったくしていなかったのは、

よろしくないことではありますが、

この際でいえば、そのことが幸いしました。

社長に言いました。

「総務の幹部社員で、

 亡くなられたお二人の株を継いでくれそうな人、おりませんか?」

「まあ、いますけど、どうするんですか?」

「今のうちに、名簿の名前をその社員に変えておいてください。」

「そんなことして、いいんですか?」

「何がですか?」

「会社法上、問題になりませんか?」

「何を言ってるんですか。

 株主総会も何もやってこなかったことのほうが、

 問題じゃないですか?」

「いや、そう言われると、そうですね。

 正直、そのやり方で進めれるなら、助かります。

 でも、顧問会計事務所がなんと言うか。」

「多少何か言うかもしれませんが、結局、見過ごしますよ。」

「そうですかね。」

「だって、そもそもこのことを放置してきたのは、

 顧問会計事務所の責任でもあるんですから。」

 

となり、

亡くなられた少数株主の名前を現存の社員に変えたのです。

「このままだとまた同じことが起こるかもしれないので、

 半年ほど経過したら、会社がその社員から買いましょう。」

と、社長に申し上げました。

その後、その社員から会社が額面で株式を買い取り、

株主名簿から少数株主は消えたのです。

 

相続人からは当然の事、

顧問会計事務所からも、何も言ってきませんでした。

結局、多くの会計事務所は税金のことを見るだけで、

株主のことなど、まったく気にしていないのです。

杓子定規な法律にとらわれることなく、

可能な策で柔軟に対応すればよいのです。

変に事を荒立てる必要は、ないのです。

 

(古山喜章)

2023年3月20日 (月)

悩ましい株主はいませんか ①

「実は、うちにはこんな株主がいて困っています。」

という相談を受けることが時々あります。

その多くは、先代からの負の遺産であったり、

やるべき処置を行っていなかった、というものです。

しかし、今の経営者や後継者にとっては、

悩ましい株主で、どうにかして解決したいのです。

 

①すでに亡くなっている株主がいます(1)

 

ある経営者から、相談を受けました。

「うちの株主名簿には、

 すでに亡くなっている株主がいるんです。

 どうしたらいいいのか・・・。」

過去にも、別の会社で同じ相談が度々ありました。

 

「それは、おひとりですか?」お聞きしました。

「いえ、二人いるんです。元社員です。

 どちらも、会社設立時に株主が7人必要だったころの、

 いわゆる名義株主です。

 亡くなった先代に聞いた話では、お金は出していないそうです。」

これもまた、よくある話しです。

 

その経営者は続いて話しました。

「二人が退職した時に会社で買い取っておけばよかったのに、

 誰も気づかず忘れていて、そのままだったんです。

 で、お二人とも、退職後に10年以上経ってから、

 お亡くなりになりました。」

「どうして気づいたんですか?」

「そろそろ私の相続を考えないといけない時期になってきて、

 改めて株主名簿を見たときに、気づいたんです。

 その時にはもう、亡くなってました。」

「そうですか。ということはこれまで、

 株主総会の通知も出していなければ、配当もしていなかった、

 ということですか?」

「恥ずかしながら、そうなんです。

 それに、持っている株数はわずかなので、

決算書の別表2にも、記載していなかったんです。」

 

中小企業の多くは、株主総会はおろか、取締役会でさえ、

法律で定められたとおりに開催していません。

株主総会の招集通知を毎年、全株主に発送している会社なら、

すくなくともその時点で、

「この株主は退職したから買い戻さないと!」

となり、解決へと向かいます。トラブルには発展しないのです。

 

気になったのは、会計事務所の対応でした。

「顧問税理士事務所からは、何かアドバイスがありましたか?」

その経営者に尋ねました。

「それが、これを処理するには、

 “亡くなった方の相続人のところへ行って、

  会社で買い取らせてもらうよう、お願いしないといけないですねぇ。”

 て言うんです。」

「えぇ!そんなことしたら、それこそ寝た子を起こすだけじゃないですか!」

「そうなんですよ!

 そんな杓子定規なことしたら、やぶへびなだけだと思って、

 先生に相談させてもらったんです。」

 

その会社の株価は額面の10倍近くになっています。

亡くなられたお二人は非同族株主なので、

法的には会社は額面で買うことが可能です。

とはいうものの、先方の相続人が了承すればの話しです。

相続人に話しを持ちかければ、

「えっ、そうなんですか。一度株価を算定させてください。」

となるのは見えています。

 

「そんなアホなことしないで、別の方法で解決しましょう。」

ということになったのです。(続く…。)

 

(古山喜章)

2023年3月17日 (金)

事業承継のカベ④

山陰サービスの岡山昇社長(仮名)の長女で、

取締役である陽子氏(仮名)から

突然の辞意が伝えられました。

 

陽子さんと食事をしながら、色々と話をして、

能力は優秀、実績も申し分ない、ですが、

「感謝」が足りていないと感じました。

 

色々な経営者とお会いして、お話を聞くと、

業績をあげている、上手に経営されている経営者は、

感謝心が強いです。

 

ご先祖、先代、取引先、従業員・・・

感謝する対象はそれぞれですが、

陽子さんには、そういった姿勢が感じられませんでした。

 

どれだけテクニック、スキルがあっても、

精神的な土台がしっかりしていないと、

やはり、どこかでボロが出てくると思っています。

特に、後継者はテクニックに走りがちな面がよく見られます。

 

陽子さんは、大学卒業後、すぐに昇社長のもとで働きはじめましたが、

テクニック、スキルはたくさん学んできても、

こういった後継者としての姿勢を学ぶ機会はなかったのです。

これは、ある意味、陽子さんにとっても不幸でした。

 

一方で、バトンを渡す側ですが、事業承継の場面を見ていますと、

タイミングとして、後継者が40歳になるまでには渡している会社が

圧倒的に多いです。

 

受け継ぐ側からみても、40歳後半で承継されても、

気力も体力もピークを越えているいため、正直しんどいです。

この意味で、山陰サービスの承継のタイミングは、

少し遅かったといえます。

 

事業承継は、10社あれば、10通りですが、

しっかりとした後継者をつくり、バトンタッチしてゆく

これほど難しいことはないな、と思うのです。

(福岡雄吉郎)

2023年3月16日 (木)

事業承継のカベ③

経営者のとても重要な仕事の一つに、

「後継者をつくること」がありますが、

色々な会社をお手伝いしてきて、

まさにその通りだな、と感じるようになりました。

 

実例として、サービス業を営む

山陰サービス(仮称)の例をご紹介します。

 

山陰サービスの岡山昇社長(仮名)の長女で、

取締役である陽子氏(仮名)から

突然の辞意が伝えられました。

 

突然、岡山社長からお呼びがかかり、

ミーティングを行います。

 

「いきなり、娘が、会社を辞めたいと行ってきた。

飛び出すのなら、俺の財産は、将来、絶対に相続させたくない。

そのように段取りできますか?」

 

「社長、法的にはそのようにはできません。

もちろん、覚書を交わして、抑止力としては使えますが。

でも、そもそもなんで突然辞めるといったのですか?」

 

「わからんね、あいつは自分勝手だよ。」

 

「一度、陽子さんと食事して、何考えているか、聞いてきましょうか?」

 

ということで、陽子さんと食事をしながら、

色々と話を聞きだしました。

 

「私は、別に、社長のことが嫌いとか、そういうことではないんです。

ただ、私は、自分自身のキャリアアップに強いこだわりがあります。

周りをみると、私と同年齢の方でも、

結構、社長になられています。

だから、私も早く社長になりたいんです。

でも、父の会社にいる限り、それは、いつやってくるか分かりません。

だから、今回、転職しようと思っています。

転職活動も、ずっとしてきました。」

 

延々、陽子さんの話を聞きながら、

「これだけ自分のキャリアのことを真剣に考えて、

スキル、資格、その他自己研鑽を積んでいる人もそうはいない」

と妙に感心してしまいました。

 

ただ、一つ、抜けているものがあるなと、思ったのです。

(福岡雄吉郎)

2023年3月15日 (水)

理由もないのに 売定価を下げてはなりません!

不況期でなくとも毎年、毎年  競争は激化して、売上低下の要因が増してきます。

不況の中で勝ち得る方法は、商品力・サービス力・納期・価格において いかなるライバルよりも顧客に喜ばれる、魅力ある差を付けることであると申し上げてきました。

簡単におっしゃるが・・・・・・と常に云われますが・・・

 

 

売上を追いかける営業社員と会議をしていると多い意見は、もっと「わが社の販売価格を下げないと売れません」の一点張りの意見しか出てきません。

社長にしてみれば「君たちのいう様に価格を下げて売れば、たちまち 営業利益は低下して赤字に進んでしまう・・」と反論しても価格維持力をつける打つ手もなかなか見出せません。

 

 

しかし、高い価格よりも廉価な価格の方がお客様には喜ばしいと思うものです。売値を下げたいと思うならば、売価を下げても儲かるようにしないと、コストダウン行為をせずに値段を下げるのは自殺行為なのです。

価格を構成している 原材料・労務費・販売管理費・支払金利・借入返済金・税金を徹底して下げればいいのです。

 

私は、仕事上 多くの会社にお邪魔して  P/L B/S、C/Fの経営資料に目を通していますが、せっかく稼いで収入として売上金として入ったお金を、いとも簡単に流出させている事実が実に多いのです。

 

 

%値引きした販売売価にしたいなら、原材料費を2%でも 3%[i]でも下げる具体策、販売管理費、労務費を2%でも3%でも下げる具体策、支払金利や借入金返済額を前年より2%~3%も下げる具体策、そして、実践策、行動を取って成果を上げることです。

 

年々、社歴を重ねて経営を持続させていれば、これらの支出は減るはずです。効率は良くなってくるはずです。

年々経営を存続させていて、それができないのは甘い経営、ずさんな経営、怠惰な経営を続けているだけなのです。

 

私は売価を下げることよりも、上げることを考えてしまうのです

売価を上げるには価値をつける努力、商品を変える努力をすべきで

従来の価格を下げろと言われる商品は止めてしまうことです

 

今、取り扱っている各商品の粗利益率を見て高い商品の改良を考える。より高い粗利益率(付加価値率)を上げる改良商品、新商品を開発することを考えるのです

 

売れるには売れる理由があり、値下げを要求される商品には理由があるのです

売上が下がるか知れませんが、安売り合戦の中には入らない、止める勇気が必要です。

 

私は売価を下げることよりも、上げることを考えてしまうのです

売価を上げるには価値をつける努力、商品を変える努力をすべきで

従来の価格を下げろと言われる商品は止めてしまうことです

 

今、取り扱っている各商品の粗利益率を見て高い商品の改良を考える。より高い粗利益率(付加価値率)を上げる改良商品、新商品を開発することを考えるのです

 

売れるには売れる理由があり、値下げを要求される商品には理由があるのです

売上が下がるか知れませんが、安売り合戦の中には入らない、止める勇気が必要です。

(福岡雄吉郎)

2023年3月14日 (火)

事業承継のカベ②

経営者のとても重要な仕事の一つに、

「後継者をつくること」がありますが、

色々な会社をお手伝いしてきて、

まさにその通りだな、と感じるようになりました。

 

実例として、サービス業を営む

山陰サービス(仮称)の例をご紹介します。

 

山陰サービスの岡山昇社長(仮称)は、

今から、50年ほど前に会社を設立し、

今や、グループ全体で従業員500人ほどを構える中堅企業にまで、

成長させました。

 

グループ会社は、8社ほどあり、

自分の長女である岡山陽子氏(仮称)を含め、

8名の取締役を集めて、2週間に一度、役員会を開催しています。

 

役員会は、一日かけて行われ、

中小企業でありがちな、ただ、社長がしゃべって終わり、

という会議ではなく、その時々のトピックに始まり、

投資、人事など、本当にしっかりとした討議を行っています。

 

後継候補として、最有力なのは、

長女である陽子氏でしたが、

岡山社長としては、娘だからといって、

変に甘やかすようなことはせず、厳しく接していました。

 

陽子氏の経歴ですが、年齢は35歳を超えました。

大学卒業後、すぐに父親である昇氏の会社に入社し、

かれこれ13年、山陰サービスで頑張ってきました。

 

頭のキレは良く、しっかりと自分の意見も主張し、

それでいて、自分が担当している会社の業績は好調、

はた目には、素晴らしい後継者候補でした。

 

ところが、半年ほど前に、

突然、陽子さんから辞意が伝えられたのです。

(福岡雄吉郎)

2023年3月13日 (月)

事業承継のカベ

経営者のとても重要な仕事の一つに、

「後継者をつくること」がありますが、

色々な会社をお手伝いしてきて、

まさにその通りだな、と感じるようになりました。

 

それだけ、事業承継で苦労する会社が多いですし、

逆に言えば、事業承継がスムーズに行く会社は、

稀有、皆無だとさえ思っています。

 

だいたい、後継者のよくあるパターンは、

父親の会社に入る前に、

3年ほど、下積みとして、別の会社で働きます。

 

これは、とても重要なことで、

ここで、大なり小なり、雇われ感覚が生まれます。

 

時に、上司の理不尽な命令に従いながら、

多少なりとも忖度をしつつ、

苦労しながら働いて、僅かな給料をいただきます。

サラリーマンは楽じゃない、という感覚が生まれます。

 

その会社で、3年ほど働いたあとは、

会社を継ぐために、雇われた会社を退職します。

 

ここで父親の会社に入るわけですが、

まずは、現場が大事だということで、

現場からスタートします。

 

現場を一通り経験したあとは、本社に戻り、

30歳前後で、取締役就任、

その後、昇格をしていって、

30代後半から40歳の間に、代表取締役就任

 

会社、後継者によって、それぞれだとは思いますが、

概ね、このようなモデルが多いと思いますし、

このようなステップで良いと思っています。

 

他社の事例を見ながら、

承継のタイミング等について考えてみます。

(福岡雄吉郎)

 

2023年3月10日 (金)

なぜ、そんなに現預金を積み上げるのか④

貸借対照表を拝見すると、

現預金が月商の2倍、3倍ある一方で、

負債に長短借入金がどっさりある、

というケースをまだまだみかけます。

「なぜ、借金をしてまで現預金を抱えるのですか?」

と聞くと、「何かあったときのために。」と言われます。

しかし、借金し続けることだけが、その対策ではないのです。

 

④生命保険を解約しなさい

 

コロナ禍に突入した直後、

顧問先でパチンコホールを運営する会社が大打撃に陥りました。

当初、パチンコ店がクラスターの原因になっている、

などといった風評被害もあって、その業績被害は甚大でした。

日銭が入る商売とはいうものの、

導入した遊技機の支払い、銀行借入返済など、

待ったなしの状態の支出がいくつもありました。

 

その時に、生命保険を数本、解約しました。

申し入れて3日で振り込まれました。

その解約返戻金で、当面の資金繰りを切り抜けました。

同時に、コロナ融資の手続きも進めて融資を受け、

資金繰りの危機を、乗り越えたのです。

 

その会社では、利益が出ていたころに、

全額損金の生命保険をどんどん増やしていました。

解約返戻金の出口としてどう処理するのか、ということも課題でした。

当初、先代の退職金支給時に全部解約して、相殺する予定でした。

その折に、コロナ禍がやってきたのです。

業績が大赤字に入ることは明確だったので、

保険解約金が営業外利益に計上されても、

最終利益がマイナスになることは、はっきりしていました。

まさに、「何かあったとき」に役立ったのです。

 

法人での役員生命保険は、会社の金融資産です。

特に損金計上した保険料は、

貸借対照表には入らず、簿外資産となります。

現状は保険料の最大4割までが損金計上可能ですが、

数年前までは、全額損金計上の保険商品がたくさんありました。

全額損金保険を活用した、という方も多いと思います。

それら損金計上の保険は、有効な簿外金融資産です。

解約すれば、3日ほどで着金するのです。

 

わざわざ銀行借り入れをして、

現預金を日ごろから積んでおく必要はないのです。

そのような生命保険の簿外資産があれば、それでいいのです。

それこそ、マサカの坂の時に、使えばいいのです。

それには、

自分の会社の生命保険の解約返戻金が、

いくらあるのか、すぐに確認できるようにし、

把握しておいてほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年3月 9日 (木)

なぜ、そんなに現預金を積み上げるのか➂

貸借対照表を拝見すると、

現預金が月商の2倍、3倍ある一方で、

負債に長短借入金がどっさりある、

というケースをまだまだみかけます。

「なぜ、借金をしてまで現預金を抱えるのですか?」

と聞くと、「何かあったときのために。」と言われます。

しかし、借金し続けることだけが、その対策ではないのです。

 

➂少人数私募債を活用しなさい

 

「そんなに現預金を抱えておきたいなら、

 少人数私募債を発行して、

社長のお金を会社に入れればいいじゃないですか。」

と言うと、

「それって、なんですか?」と未だに言われます。

 

少人数私募債は、会社が発行する社債です。

しかし、銀行が引き受ける社債とは違います。

文字通り、

経営者や身内など、身近な少人数だけが引受人になれる社債です。

社債を引き受ける形で、手元にあるお金を会社に貸すことになるのです。

そのため、経営破綻時の弁済順位が低い、劣後債という扱いになります。

劣後債なので、銀行評価では自己資本とみなされます。

資本性借入金、という扱いになるのです。

 

小人数私募債は、銀行引き受けの社債のように、

あれやこれやの手数料は一切かかりません。

会社内部の事務処理のみです。

それに、金利は3%~5%で設定可能です。

手元にあるお金を貸す直接金融なので、

預金を集めて貸す間接金融の銀行とは、根本的に異なるのです。

それに、弁済順位が低い劣後債です。

だから、金利が3%~5%でも、問題ないのです。

 

引き受けるのは、個人だけでなく、法人でもOKです。

子会社に資金の余裕があったので、

本体の会社が小人数私募債を発行し、

子会社が引き受けた、というケースもありました。

そのときも、金利は5%で設定し、

引受人である子会社がその金利を受け取っていました。

 

小人数私募債なら、金利は外部流出せず、内部でお金が動くだけです。

それに、私募債発行会社では、金利分を損金計上できます。

要は会社ですぐに使えるお金を持ちたいのなら、

極力、外部から借りずに、自前で蓄えたものを、

そのお金にあててほしいのです。

 

そのために、日ごろの役員報酬を大きくしているのです。

報酬が高いのは、

経営者だけが裕福な生活をするためではありません。

「何かあったとき」には、

率先して手元のお金を出すのが、経営者なのです。

銀行に金利を払ってお金を借り、

借金を抱えているのに「これで安心できます。」

と喜ぶような経営者には、ならないでほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年3月 8日 (水)

なぜ、そんなに現預金を積み上げるのか②

貸借対照表を拝見すると、

現預金が月商の2倍、3倍ある一方で、

負債に長短借入金がどっさりある、

というケースをまだまだみかけます。

「なぜ、借金をしてまで現預金を抱えるのですか?」

と聞くと、「何かあったときのために。」と言われます。

しかし、借金し続けることだけが、その対策ではないのです。

 

②倒産防止共済を活用しなさい

 

「何かあったとき、の何かとはなんですか?」とお聞きすると、

災害、取引先の倒産による回収不良、などが出てきます。

そのような事態に備えるのが、

『経営セーフティー共済』、通称、『倒産防止共済』と言われるものです。

政府系の中小企業整備機構が運営しています。

 

年額最高240万円、累計で800万円まで、掛けれます。

全額を損金計上できます。

災害や取引先倒産、売上回収不良などが発生したときに、

掛け金の10倍、最高8000万円までを、

無担保・無保証で借りることができます。

これだけでも、

「まさかのとき」に役立つ商品です。

 

それに、借りなくても、不測の事態の折には、

掛け金を解約してすぐに返金してもらうことができます。

コロナ発生で緊急事態宣言に初めてなった時、

多くの顧問先が、解約で800万円を返してもらいました。

子会社も含めて4社ある会社は、それだけで3200万円でした。

「大いに助けられました。入っていてよかったです。」

とのお声を聞きました。

 

解約したあとは、もう一度加入して、

掛け金を積み上げることができます。

申し込むには、

インターネットで『経営セーフティー共済』を検索します。

申込書をダウンロードするページがあります。

ダウンロードして必要事項を記載し、ポストに投函します。

記入例も詳しくあるので、簡単です。

 

掛け金は解約すれば戻ってくるし、

まさかの折には、無担保・無保証で資金調達できるのです。

その非常時の借入金にのみ、金利はかかります。

銀行借入で現金を抱える時のように、

平常時における金利での現金流出もなければ、

総資産が膨張することもありません。

中小企業にとっては、いいことづくめの制度なのです。

未加入の会社は、絶対に入っておくべき制度なのです。

 

(古山喜章)

2023年3月 7日 (火)

なぜ、そんなに現預金を積み上げるのか①

貸借対照表を拝見すると、

現預金が月商の2倍、3倍ある一方で、

負債に長短借入金がどっさりある、

というケースをまだまだみかけます。

「なぜ、借金をしてまで現預金を抱えるのですか?」

と聞くと、「何かあったときのために。」と言われます。

しかし、借金し続けることだけが、その対策ではないのです。

 

①当座貸越枠を活用しなさい

 

「何かあったときのため」の銀行調達は、

通常の短期・長期の借入金だけではありません。

『当座貸越契約』という融資方法もあるのです。

銀行との当座貸越契約で、

すぐに借りれる上限金額を設定してもらいます。

それが5千万円なら、上限5千万円までの金額を、

企業側はすぐに借りることができます。

少なくとも2~3日以内迄には、借りれます。

 

当座貸越契約をしていれば、

普段から借入金を抱える必要はありません。

取り急ぎの資金が必要な時だけ、銀行に連絡して、

上限範囲内の金額で借りればいいのです。

そうしておけば、

普段から現預金や借入金の残高が必要以上に多い、

ということはなくなります。

総資産を小さくしておくことができるのです。

 

総資産が小さければ、

自己資本比率、総資産経常利益率など、

経営指標が良くなります。

そして何より、

余計な金利を日ごろから支払うことはないので、

金利での現金流出を減らすことができます。

 

当座貸越契約は、銀行との契約のなかでは、

ハードルが高い契約です。

「当座貸越契約をお願いします。」

と要望するところから始まりますが、

「はいわかりました。」とすぐにはなりません。

 

銀行審査部を通して、当座貸越契約の承認が必要になります。

さらにその際に、上限いくらまでなら当座貸越契約OKなのか、

が判定されます。そのあと、金利の条件設定に入ります。

こちらが1億円で上限設定をお願いします、

いっても額を決めるのは銀行側になるのです。

もちろん、財務状況がよく、

格付け(スコアリング)が高い会社ほど、

スピーディーに当座貸越契約が決まりますし、条件もいいです。

 

逆に、当座貸越契約を申し入れて、銀行からNOの返事なら、

財務状況が悪い、と判断されている証拠です。

つまり、たいして信用されていない、ということです。

そういう会社には、短期借入金で対応したり、

定期預金を進めてきたり、するのです。

 

結局、借金をして現預金を過剰に抱えている会社は、

銀行のいいように転がされているだけです。

早くそのことに気づき、他の手立てに変えてほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年3月 6日 (月)

いつか来る不況期への対策 固定費を下げる努力を惜しんではいけません

「固定費とは 固定であって変動費化はできないでしょう?」

とある有名な企業の会社の社長が私の意見に反論してきたことがありましたね。

固定費の中身を不況期には徹底して、鬼になって、手を打ってください。

「生き延びる」為には、最小人員に徹して絞り、心を鬼にして人員を削減する、給料の高い役員から減額する。

総人件費を下げる。賃料は値引きをお願いする。

契約を解除する、保険も解約、定期購入契約品も解約、会費・会合費もケチケチでやめる。

とにかく 収益の生まない経費は下げるのです。

 

固定費を下げる努力は本来、業績がソコソコの時にしてほしいのです。

固定費を下げる、支払いサイトを伸ばすといったマイナス行動は、

ともすればいらぬ噂も流され、波風がたちます。

業績の良い時にやれば「経営の合理化」という美名で済まされますが、

不況の時にやれば「ヤバい!」となるからです。

しかし、高い給料を得て、権限や権力を持ったトップの仕事は、

トップにしかできない汚れ仕事も手に染めて欲しいのです。

情ではできません。理で固定費も下げるのです。

 

「マダはモウ  で モウはマダ」という言葉があります。

「合理化 人の縮小はやりつくしました。 モウやることがありません!

と社長はおっしゃいます。私は常に言います。

「マダマダ やり尽くしていません!」と

合理的課題は「ない!」と思ってしまうと、社長の目には、もう改善策や合理策は見えてきません。

やる気になればいくらでも、 課題が現れてきます。

 

(井上和弘)

2023年3月 3日 (金)

不動産のM&A④

・会社の資産は、簿価が1億円の土地(含み益1億円

・会社の負債はゼロ、自己資本は1億円

 

この状態で、土地を売る、とした場合に、売手としては、

 

(1)土地を売る

(2)会社をまるごと売る

という2つの選択肢があります。

 

売ったオーナーの手取りはどうなるでしょうか?

 

まず(1)ですが、

1億円の土地を2億円で売れば、

会社には、売却益が1億円発生します。

となると、法人税で3,000万円支払う必要があります。

結果的に、17,000万円が現金として残ります。

 

これを持株比率に応じて、分配してゆくわけですが、

仮に、オーナー1人で100%の株式を持っているとした場合、

1億7,000万円が表面上の収入です。

 

しかし、このお金は、『配当所得』となり、

他の給与所得などと併せて、総合課税となります。

住民税と合わせると、実効税率としては、50%くらいです。

 

つまり、売却した金額の半分しか、手元に入ってこないのです。

 

 

次に(2)ですが、

1億円の土地を持っている会社を売る場合、

会社の売買ということで、M&Aとなります。

のれん代は無視して、

M&Aによる株価=自己資本(時価)とすると、

価は2億円と評価されます。

 

この株式をオーナーが売るわけですが、

自分が持っている株式を他人に売る場合、

税金としては20%で済みます。

 

つまり、売却した金額の8割が、手元に入ってくるのです。

 

まとめると、

(1)の場合位は、8,500万円

(2)の場合は、1億6,000万円

手元に残ります。

 

かなり割り切って計算していますが、全然違いますね。

 

ということで、このケースでは、

(2)のほうが圧倒的に有利なのです。

 

(福岡雄吉郎)

2023年3月 2日 (木)

不動産のM&A③

・会社の資産は、簿価が1億円の土地(含み益1億円

・会社の負債はゼロ、自己資本は1億円

 

この状態で、土地を売る、とした場合に、売手としては、

 

(1)土地を売る

(2)会社をまるごと売る

という2つの選択肢があります。

 

次に(2)ですが、

1億円の土地を持っている会社を売る場合、

会社の売買ということで、M&Aとなります。

 

M&Aで売る場合は、

公認会計士が、その会社を査定して、株価を計算します。

これをデューデリジェンスといいます。

 

デューデリジェンスをする場合は、

貸借対照表の左側の資産は、

すべて時価(実勢価格)で評価します。

 

貸借対照表の右側の負債は、

隠れた負債がないか、隠れ負債をチェックします。

 

そうすると、帳簿価格では1億円の土地も、

時価の2億円と評価されるのです。

そうすると、その分、株価計算上は、自己資本が増えます。

 

デューデリジェンスによる株価評価は、

自己資本(時価)に、のれん代を加えて計算されます。

 

ここでは、のれん代は無視して、

M&Aによる株価=自己資本(時価)とすると、

価は2億円と評価されます。

 

図にすると、以下のようになります。
Hudousann2

2023年3月 1日 (水)

不動産のM&A②

・会社の資産は、簿価が1億円の土地(含み益1億円

・会社の負債はゼロ、自己資本は1億円

 

この状態で、土地を売る、とした場合に、売手としては、

 

(1)土地を売る

(2)会社をまるごと売る

という2つの選択肢があります。

 

まず(1)ですが、

1億円の土地を2億円で売れば、

会社には、売却益が1億円発生します。

となると、法人税で3,000万円支払う必要があります。

結果的に、1億7000万円が現金として残ります。

 

で、このあとですが、

もぬけの殻となった、空っぽの会社を

ずっと置いておいても、仕方ありません。

別の商売を始めれば別ですが、高齢の方であれば、

「このまま会社を残してもあれだしなぁ・・・清算しよう」

となります。

 

するとどうなるかというと、

会社に残っている現金を、株主に分配する、

という流れになります。

持株比率に応じて、分配してゆくわけです。

 

図で示すと、下記のようになります。

Hudousan

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