なぜ、そんなに現預金を積み上げるのか②
貸借対照表を拝見すると、
現預金が月商の2倍、3倍ある一方で、
負債に長短借入金がどっさりある、
というケースをまだまだみかけます。
「なぜ、借金をしてまで現預金を抱えるのですか?」
と聞くと、「何かあったときのために。」と言われます。
しかし、借金し続けることだけが、その対策ではないのです。
②倒産防止共済を活用しなさい
「何かあったとき、の何かとはなんですか?」とお聞きすると、
災害、取引先の倒産による回収不良、などが出てきます。
そのような事態に備えるのが、
『経営セーフティー共済』、通称、『倒産防止共済』と言われるものです。
政府系の中小企業整備機構が運営しています。
年額最高240万円、累計で800万円まで、掛けれます。
全額を損金計上できます。
災害や取引先倒産、売上回収不良などが発生したときに、
掛け金の10倍、最高8000万円までを、
無担保・無保証で借りることができます。
これだけでも、
「まさかのとき」に役立つ商品です。
それに、借りなくても、不測の事態の折には、
掛け金を解約してすぐに返金してもらうことができます。
コロナ発生で緊急事態宣言に初めてなった時、
多くの顧問先が、解約で800万円を返してもらいました。
子会社も含めて4社ある会社は、それだけで3200万円でした。
「大いに助けられました。入っていてよかったです。」
とのお声を聞きました。
解約したあとは、もう一度加入して、
掛け金を積み上げることができます。
申し込むには、
インターネットで『経営セーフティー共済』を検索します。
申込書をダウンロードするページがあります。
ダウンロードして必要事項を記載し、ポストに投函します。
記入例も詳しくあるので、簡単です。
掛け金は解約すれば戻ってくるし、
まさかの折には、無担保・無保証で資金調達できるのです。
その非常時の借入金にのみ、金利はかかります。
銀行借入で現金を抱える時のように、
平常時における金利での現金流出もなければ、
総資産が膨張することもありません。
中小企業にとっては、いいことづくめの制度なのです。
未加入の会社は、絶対に入っておくべき制度なのです。
(古山喜章)
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