事業承継のカベ④
山陰サービスの岡山昇社長(仮名)の長女で、
取締役である陽子氏(仮名)から
突然の辞意が伝えられました。
陽子さんと食事をしながら、色々と話をして、
能力は優秀、実績も申し分ない、ですが、
「感謝」が足りていないと感じました。
色々な経営者とお会いして、お話を聞くと、
業績をあげている、上手に経営されている経営者は、
感謝心が強いです。
ご先祖、先代、取引先、従業員・・・
感謝する対象はそれぞれですが、
陽子さんには、そういった姿勢が感じられませんでした。
どれだけテクニック、スキルがあっても、
精神的な土台がしっかりしていないと、
やはり、どこかでボロが出てくると思っています。
特に、後継者はテクニックに走りがちな面がよく見られます。
陽子さんは、大学卒業後、すぐに昇社長のもとで働きはじめましたが、
テクニック、スキルはたくさん学んできても、
こういった後継者としての姿勢を学ぶ機会はなかったのです。
これは、ある意味、陽子さんにとっても不幸でした。
一方で、バトンを渡す側ですが、事業承継の場面を見ていますと、
タイミングとして、後継者が40歳になるまでには渡している会社が
圧倒的に多いです。
受け継ぐ側からみても、40歳後半で承継されても、
気力も体力もピークを越えているいため、正直しんどいです。
この意味で、山陰サービスの承継のタイミングは、
少し遅かったといえます。
事業承継は、10社あれば、10通りですが、
しっかりとした後継者をつくり、バトンタッチしてゆく
これほど難しいことはないな、と思うのです。
(福岡雄吉郎)
« 事業承継のカベ③ | トップページ | 悩ましい株主はいませんか ① »
「事業承継・M&A」カテゴリの記事
- なぜ 自己株を分散させてはいけないのか?(2023.05.08)
- 投資育成会社がやってきました⑤(2023.04.14)
- 投資育成会社がやってきました④(2023.04.13)
- 投資育成会社がやってきました③(2023.04.12)
- 投資育成会社がやってきました②(2023.04.11)
コメント