事業承継のカベ③
経営者のとても重要な仕事の一つに、
「後継者をつくること」がありますが、
色々な会社をお手伝いしてきて、
まさにその通りだな、と感じるようになりました。
実例として、サービス業を営む
山陰サービス(仮称)の例をご紹介します。
山陰サービスの岡山昇社長(仮名)の長女で、
取締役である陽子氏(仮名)から
突然の辞意が伝えられました。
突然、岡山社長からお呼びがかかり、
ミーティングを行います。
「いきなり、娘が、会社を辞めたいと行ってきた。
飛び出すのなら、俺の財産は、将来、絶対に相続させたくない。
そのように段取りできますか?」
「社長、法的にはそのようにはできません。
もちろん、覚書を交わして、抑止力としては使えますが。
でも、そもそもなんで突然辞めるといったのですか?」
「わからんね、あいつは自分勝手だよ。」
「一度、陽子さんと食事して、何考えているか、聞いてきましょうか?」
ということで、陽子さんと食事をしながら、
色々と話を聞きだしました。
「私は、別に、社長のことが嫌いとか、そういうことではないんです。
ただ、私は、自分自身のキャリアアップに強いこだわりがあります。
周りをみると、私と同年齢の方でも、
結構、社長になられています。
だから、私も早く社長になりたいんです。
でも、父の会社にいる限り、それは、いつやってくるか分かりません。
だから、今回、転職しようと思っています。
転職活動も、ずっとしてきました。」
延々、陽子さんの話を聞きながら、
「これだけ自分のキャリアのことを真剣に考えて、
スキル、資格、その他自己研鑽を積んでいる人もそうはいない」
と妙に感心してしまいました。
ただ、一つ、抜けているものがあるなと、思ったのです。
(福岡雄吉郎)
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