不況と闘い 耐えられる体質体力に変えよう
1,スモール イズ ビューテイフル
「強小は弱大に勝る」という著書は 我が師匠の田辺昇一先生のものです。1986年代は真逆の言葉「数は力なり」と称して,スーパーのダイエー、マイカル等のチエーン理論で多くの会社が規模の拡大を狙って売上競争をしていた時代だったのです。
中小企業の多くの会社がアメリカ輸入の多店舗理論で売上を拡大していました。
アメリカ戦術理論輸入の店舗拡大は、日本でそれを行おうとすると固定資産(土地)建物(耐震性) 流通(問屋)等で投下資金が過大になる課題があり、借入金調達に問題があったのです。
私の目の前で多くの外食産業や小売業、卸業、建設業のトップが借入金過大で挫折していったのです。挫折した経営者の共通点はあまりにも財務知識に乏しかったことでありました。
小さな会社の長所はなんでしょうか?
- 小回りが利き、動きが速い 機動力がある
- 組織の末端まで神経、コミュニケーションが図れる
- どこで利益が生まれ、どこで利益が漏れているか
- 貢献人材とさぼり人材が見つけられる
- メタボ体質にはなりにくい
などがあります。
経営コンサルタント歴50数年、振り返って見ると規模が100億~300億の売上の会社と30億~60億の会社を考えてみると後者の30億~60億の会社が意外と収益性が良く安定性に優れているのです。
200億円年商の会社は、すぐに200億になったのではなく、30億、60億、80億、100億と段々になっています。200億になって規模は大になっても、売上回転率、売上経常利益率、自己資本比率の経営指標がよくはなっていないのです。
2,アメーバー経営とは何
京セラ創業者 稲盛和夫氏が自ら考案した管理手法です。
アメーバー経営手法とは、小組織(アメーバー)の集団ごとリーダーを決め、部門採算する。収支は明確にして、次の小集団に渡し、全員が利益貢献するという管理手法である。
会社が大きくなれば一人ひとりの貢献度は目にも見えずらく、誰かがやってくれるであろうというもたれ意識や一人個人の充実感も貢献度も感じなくなってしまう大企業病に陥ってしまいます。大組織の中へ小さな個は埋没してしまう。
生産性とは投入に対して産出がいくらかといった算数割り算の計算ではなく、人間の持つ心の問題なのです。
自分の働く職場の仲間と協力して働き、お金として計算された価値利益を生み出しているのです。自分も一人として努力し貢献して、目に見える化をしてくれてはっきり解るようにする。その結果、「よし、もう少し頑張れ 結果が出るように工夫してみる」といった態度を示してくれるようになります。
背に押し込みの重さを感じ、大きく掛け声を出し持ちこたえ、参加している充実感を味わえば、人間は嬉々として重さの苦しみが快感になるのです。
組織に埋没してしまわない、一人ひとりが生き生きと働く組織にしないといけない。大きな組織になると働く一人ひとりの充実感が感じられなくなる欠点があるのです。稲盛氏は松風時代の中小企業での職場体験でそれを感じとったのでしょう。
(井上和弘)
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