不動産のM&A④
・会社の資産は、簿価が1億円の土地(含み益1億円
・会社の負債はゼロ、自己資本は1億円
この状態で、土地を売る、とした場合に、売手としては、
(1)土地を売る
(2)会社をまるごと売る
という2つの選択肢があります。
売ったオーナーの手取りはどうなるでしょうか?
まず(1)ですが、
1億円の土地を2億円で売れば、
会社には、売却益が1億円発生します。
となると、法人税で3,000万円支払う必要があります。
結果的に、1億7,000万円が現金として残ります。
これを持株比率に応じて、分配してゆくわけですが、
仮に、オーナー1人で100%の株式を持っているとした場合、
1億7,000万円が表面上の収入です。
しかし、このお金は、『配当所得』となり、
他の給与所得などと併せて、総合課税となります。
住民税と合わせると、実効税率としては、50%くらいです。
つまり、売却した金額の半分しか、手元に入ってこないのです。
次に(2)ですが、
1億円の土地を持っている会社を売る場合、
会社の売買ということで、M&Aとなります。
のれん代は無視して、
M&Aによる株価=自己資本(時価)とすると、
価は2億円と評価されます。
この株式をオーナーが売るわけですが、
自分が持っている株式を他人に売る場合、
税金としては20%で済みます。
つまり、売却した金額の8割が、手元に入ってくるのです。
まとめると、
(1)の場合位は、8,500万円
(2)の場合は、1億6,000万円
手元に残ります。
かなり割り切って計算していますが、全然違いますね。
ということで、このケースでは、
(2)のほうが圧倒的に有利なのです。
(福岡雄吉郎)
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