固定金利か変動金利か ④
アメリカの金利が上がり、
日本の物価が上がり、日銀総裁が変わり、
銀行担当がささやいてきます。
「そろそろ日本の金利も上がりますよ。
変動ではなく、固定にされたらいかがでしょうか?」
そのささやき作戦に、悩まされる経営者が多いのです。
④日本の金利もそろそろ上がりますよ
「アメリカの金利が大きく上がっているので、
日本の金利もそろそろ上がりますよ。
変動よりも固定にされたほうがいいですよ。」
と、銀行担当が言ってきました、というお声が多いです。
「実際、どうなんでしょうか?」
と、顧問先の社長からよく尋ねられます。
アメリカは急激に金利を上げた反動で、
破綻する銀行が現れ、住宅購入は冷え込むなど、
大きな弊害がでています。
その悪影響は今もって継続しており、まだ落ち着かない状況です。
その状況を見ている日銀が、すぐに日本の金利を上げる、
ということは考えにくいです。
上げてもおそるおそる、ということになるでしょう。
そもそも、コロナで大量にばらまかれたお金は、
まったくもって銀行に余っています。
銀行が国債を買っても日銀に買い取られ、
また現金が銀行に戻ってくる、という状況が続いています。
企業の資金需要が活発化するようにと、
日銀は金融緩和を続けてきました。が、
一向に企業の資金需要が増えてこないのです。
刺激的な政策で、新たな投資への優遇措置がない限り、
そう簡単に資金需要は大きく伸びません。
この状況が続くうちは、金利が大きく上昇することはありません。
資金需要が高まって初めて、金利が上がるのです。
銀行担当は、単に固定で高い金利の契約を取りたいだけです。
先日も、ある顧問先で、
固定金利で0.96%で提示してきた地銀がありました。
同じ銀行にタイボ+スプレッドで再度提示させると、0.45%弱でした。
2分の1くらいになったのです。
それくらい、固定金利だと上乗せしてくる、ということです。
現状は、固定か変動かとなれば、
よほど低い、0.3%や0.4%の固定でない限り、
“変動でお願いします。”と言って交渉してほしいのです。
(古山喜章)
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