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2023年4月21日 (金)

固定金利か変動金利か ④

アメリカの金利が上がり、

日本の物価が上がり、日銀総裁が変わり、

銀行担当がささやいてきます。

「そろそろ日本の金利も上がりますよ。

 変動ではなく、固定にされたらいかがでしょうか?」

そのささやき作戦に、悩まされる経営者が多いのです。

 

④日本の金利もそろそろ上がりますよ

 

「アメリカの金利が大きく上がっているので、

 日本の金利もそろそろ上がりますよ。

 変動よりも固定にされたほうがいいですよ。」

と、銀行担当が言ってきました、というお声が多いです。

「実際、どうなんでしょうか?」

と、顧問先の社長からよく尋ねられます。

 

アメリカは急激に金利を上げた反動で、

破綻する銀行が現れ、住宅購入は冷え込むなど、

大きな弊害がでています。

その悪影響は今もって継続しており、まだ落ち着かない状況です。

その状況を見ている日銀が、すぐに日本の金利を上げる、

ということは考えにくいです。

上げてもおそるおそる、ということになるでしょう。

 

そもそも、コロナで大量にばらまかれたお金は、

まったくもって銀行に余っています。

銀行が国債を買っても日銀に買い取られ、

また現金が銀行に戻ってくる、という状況が続いています。

 

企業の資金需要が活発化するようにと、

日銀は金融緩和を続けてきました。が、

一向に企業の資金需要が増えてこないのです。

刺激的な政策で、新たな投資への優遇措置がない限り、

そう簡単に資金需要は大きく伸びません。

この状況が続くうちは、金利が大きく上昇することはありません。

資金需要が高まって初めて、金利が上がるのです。

 

銀行担当は、単に固定で高い金利の契約を取りたいだけです。

先日も、ある顧問先で、

固定金利で0.96%で提示してきた地銀がありました。

同じ銀行にタイボ+スプレッドで再度提示させると、0.45%弱でした。

2分の1くらいになったのです。

それくらい、固定金利だと上乗せしてくる、ということです。

 

現状は、固定か変動かとなれば、

よほど低い、0.3%0.4%の固定でない限り、

“変動でお願いします。”と言って交渉してほしいのです。

 

(古山喜章)

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