投資育成会社がやってきました④
投資育成会社のメリットとして、
①非常に安い金額で、わが社の株価を引き受けてもらうため、
オーナーの株価(相続財産)が減らせること
※厳密には、とても安い金額で株数を発行して(増資)、
全体の株数を増やすことで、
オーナーの持株割合(=株価)が減ることになります
②投資育成会社に株式を持ってもらえれば、
対外的に信用度がアップすること
③安定株主としてオーナーに寄り添ってくれる
だいたい、このように説明を受けると思います。
①~③、確かにその通りです。
その通りですが、その通りでない面もあるのです。
例えば③ですが、基本的には安定株主です。
配当さえ出していれば、
経営に口を挟まれることはありません。
ところが、以前、顧問先で、
オーナーに拒否権付株式(黄金株)を付けようとなったときに、
投資育成会社から猛烈に反対されたことがあります。
オーナーからすると、
後継者が暴走しないように見守りたい、
ということで、黄金株を設定しようとしたところ、
「そんなことをされたら、私たちが持っている株式の意味がなくなる!」
と現場の担当者から強く反対されたのでした。
結果的には、時間をかけて、
投資育成会社の取締役と面談することで、
事なきを得たのですが、
事業承継のために、資本構成を大きく変える、
という場面では、決して安定株主ではないのです。
(福岡雄吉郎)
« 投資育成会社がやってきました③ | トップページ | 投資育成会社がやってきました⑤ »
コメント