賃上げはしたけれど ④
労務費は最大の固定費です。
そうとはわかっているものの、
世間相場からかけ離れた賃金では、人材の定着も確保もできません。
なので、中小企業も多くは何らかの形で賃上げをしています。
高コスト環境のなか、いかに賃金を上げるのか。
経営者の悩みは尽きないのです。
④人員数を減らす、デジタル化を進める
賃金を世間相場に合わせるべく、賃上げはしたけれど、
「営業利益がその分、下がりました。」
では話しになりません。
投じた労務コストに対する生産性が上がらなければ、
賃上げもムダな投資となってしまうのです。
生産性を上げるべく、各社さまざまな取り組みをされています。
メーカーなら
・受発注業務のシステムを刷新して、手作業や確認作業が減りました。
・生産ラインと工程を改善して、必要人員を減らしました。
・人がやっていたことを機械化、ロボット化しました。
・粗利益の悪い商品を辞めるなど、製品構成を変えて粗利益を増やしました。
・現場の知恵で歩留まりを減らし、粗利益が改善されました。
飲食・小売り・サービス業なら
・会計システムを変えて接客時間を短縮しました。
・紙の帳票類をなくし、作業や保管の簡素化しました。
・商品構成を見直してロスを減らし、粗利益が増えました。
・原材料見直し、仕入れ先見直しで、原価を下げました。
・新たな商品・サービスで、粗利益が増えました。
卸売業なら
・受発注業務をシステム化して、作業時間の短縮ができました。
・配送エリアを見直して、かかるコストを減らしました。
・扱う商品構成を見直して、粗利益が増えました。
・納品の後工程を取り入れてサービスにし、粗利益が増えました。
・システム化でピッキング作業を短縮できました。
等など、取り巻く環境からすれば、賃上げは必要だけれども、
上がる労務コストを吸収すべく、知恵と工夫を凝らしているのです。
他にも電気代、運賃、各種原材料など、あらゆるコストが上がるのです。
長く続いたデフレ環境では、いかに安く売るか、
に注力してきた企業が多かったのです。
しかし、デフレが終わりインフレ傾向にある今後は、
いかに高く売るのか、に注力することです。
商品力を高めて、粗利益を増やすことです。
そうしなければ、上昇するコストを吸収できないのです。
もう、コロナのせいにはできません。
変化する環境に対応できる会社が、生き残ってゆくのです。
(古山喜章)
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