優位性を高めて粗利益を増やしなさい②
材料原価、人件費、電気代、運賃、等など、
変動品も固定費も、まだまだ上がる傾向です。
そして、上がったコストが標準化してゆく気配です。
となると、中小企業は自社の売りモノを絞り込み、
高くても買ってくれるよう、ライバルとの優位性を磨いてほしいのです。
②対応力の速さを磨く
部品受注メーカーでのことです。
下請けなので、自社のオリジナル品を作るのではありません。
依頼された部品を要望どおりに作り、納品するのです。
品質も基準が定められています。
なので、部品そのもので優位性を競う事はありません。
品質基準をクリアすることが、最低条件なのです。
そこでその部品メーカーは、先方からの要望に対する
対応力の速さを磨くことにしました。
下請けの部品メーカーには、
発注会社から要望や問い合わせがよくあります。
なかでも、この部品メーカーが注力したのは、
試作品依頼への対応の速さです。
“ライバルよりも圧倒的に速い試作品対応をしよう!”
ということをスローガンに抱え、取り組みました。
そのために必要な最新の設備や3Dプリンターを、購入しました。
営業、技術、設計のメンバーがすぐに連携して納期を確認し、
発注会社へその日程をすぐに連絡し、
その納期通りに試作品を納品し続けました。
そもそも、発注会社からの試作品依頼は、
タイトなスケジュールが多いです。
そんなに余裕のある例は少ないです。
そのような状況でも、先方のニーズに応え続けました。
すると、
こちらの見積価格も値切られることが少なくなりました。
納品先である発注会社の親しい幹部が言ったそうです。
「おたくの会社は試作品の対応がよそよりいつも速いから。
うちにはそれがすごく助かっている。
だから、できればおたくと取引を続けたい。」
なので、この部品受注会社では、値上げ交渉もスムーズです。
高くてもその会社から買いたい、付加価値があるのです。
それが、対応力の速さだったのです。
顧客にとっての付加価値は、顧客のニーズによって異なります。
“価格を安くしてほしい”だけが、ニーズではないのです。
顧客が求める真のニーズをとらえ、
そのニーズに応えるにはどうすればいいのか、
ということに取り組んでほしいのです。
(古山喜章)
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