優位性を高めて粗利益を増やしなさい①
材料原価、人件費、電気代、運賃、等など、
変動品も固定費も、まだまだ上がる傾向です。
そして、上がったコストが標準化してゆく気配です。
となると、中小企業は自社の売りモノを絞り込み、
高くても買ってくれるよう、ライバルとの優位性を磨いてほしいのです。
①品質管理での優位性を高める
食品会社でのことです。
その会社では、
大手小売店からの受注を受けて、生菓子を製造・販売しています。
生菓子で怖いのは、食中毒などの食品事故です。
発注側の大手は、請け負う中小企業の工場を視察し、
事故のリスクがないか、その状況を厳しくチェックします。
当然です。
請負側が事故を起こせば、発注側も責任は免れないのです。
その請負会社は、品質管理に尋常ではないコストをかけていました。
出勤時に、サーモセンサーで体温を機械的に感知します。
異常値の体温であれば、出勤できません。
白衣は体毛が外に出ないよう、完全防備です。
工場に入る前の、毛髪除去や手洗いは、通常の倍以上の時間をかけて行います。
工場内には、オペ室と同じレベルの空調管理で落下菌を防いでいます。
ここまで品質管理にお金をかけて取り組んでいる、
という請負会社は、ないのです。
なので、発注側にしたら、
「少しくらい高くても、この品質管理の安全性は、
他に代えがたい。」
となり、価格だけでの競争に巻き込まれることがないのです。
価格交渉も強気に出れるのです。
ライバルと同じレベルの品質管理であれば、
結局、価格での勝負になります。
その結果、ライバルよりも安く価格提示することなります。
しかし、それでは生き残れないのです。
ライバルと圧倒的な差をつけることができる、
独自の優位性となる部分を見出すのです。
そこに限られたお金を注ぎ、磨きあげるのです。
粗利益を落とさない会社は、
その優位性となる、独自の売りモノを持っているのです。
(古山喜章)
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