優位性を高めて粗利益を増やしなさい➂
材料原価、人件費、電気代、運賃、等など、
変動品も固定費も、まだまだ上がる傾向です。
そして、上がったコストが標準化してゆく気配です。
となると、中小企業は自社の売りモノを絞り込み、
高くても買ってくれるよう、ライバルとの優位性を磨いてほしいのです。
➂あいさつを磨いて安心を高める
化粧品受注メーカーでのことです。
昨日の例と同じく下請けなので、自社のオリジナルを作るのではありません。
依頼された化粧品を要望どおりに作り、納品するのです。
なので、化粧品そのもので優位性を競う事はありません。
品質基準をクリアすることが、最低条件なのです。
そこでその化粧品受注メーカーは、
工場視察時のあいさつを磨くことにしました。
発注元は必ず、発注先候補の工場を視察します。
視察の目的は、ここの会社に生産を任せて大丈夫か、ということです。
発注元としては、品質の安定が望めそうな工場に依頼したいのです。
そこでその受注メーカーは、
他よりもダントツで違う印象の挨拶にしよう、
ということに取り組んだのです。
お客様には感じの良い大きな声で、丁寧なおじぎをする。
工場の全員がそのような挨拶を徹底して行う工場、
というのは意外と少ないのです。
そのためには、日ごろからそのクセをつける、
とのことで、社内の者同士でも、同様の挨拶を交わすことにしました。
工場視察は月に1度か2度です。
その時だけ、あいさつのレベルを高める、
といっても無理なので、日々のあいさつをトレーニングのごとく、
行い続けました。
そのようにして、全員のあいさつのレベルを上げていったのです。
すると、明らかに受注が増えてきました。
発注元としては、視察のなかで評価・判断できるのは、
工場で働く人たちの態度と行動です。
あいさつの印象が他社と違うことで、
「この工場なら、品質管理のためのルールを守る、
秩序が維持されそうだ。」
との評価を得て高い信頼を獲得し、受注に繋がっていったのです。
視察評価のポイントとして、5Sや設備状況もあります。
が、評価の分かれ目は、どのような人が作業をしているか、です。
その印象で優位性を高めるのが、
単純な話し、あいさつだった、ということです。
この会社ほど高いレベルのあいさつができる工場は他にないので、
価格競争に巻き込まれることなく、
必要な粗利益を確保できる価格で納品できているのです。
発注元はやはり、安心できる工場に依頼したいのです。
自社で磨くべき優位性は何なのか、もう一度よく考えてほしいのです。
(古山喜章)
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