狙われやすい、経理担当社長夫人⑤
千葉銀行と武蔵野銀行が、
金融庁から業務改善命令を受けました。
金融知識のない方々に、複雑な仕組債を大量に売りつけ、
銀行の利益優先に動いていたことが原因です。
スルガ銀行事件から数年で、同様の事件が起こるのです。
銀行員は常に、儲けのターゲットを探しています。
その有力候補の一角が、中小企業の経理担当夫人なのです。
⑤経理担当が社長夫人だと、ガバナンスはゆるゆるです
これまで、
安心のための過剰借入、不要な金融商品での損失、
“情”にゆらいでの若手銀行員への協力、等など、
経理担当社長夫人によるトラブルを多く見てきました。
もちろん男性でも同様のことはあります。
が、やはり、女性に多いことは確かなのです。
そして共通するのは、
社長が任せっぱなしで関与していない、
ということです。これはこれで大問題です。
経理担当のトップがこのような状況だと、
お金に関するガバナンスはゆるゆるなのです。
きつく締められるのは、夫である社長の交際費だけです。
飲み屋での交際費はおこづかい扱いです。
よく行くお店も、チェックされます。
家計の財布と同じ感覚なのです。
妻の采配だけで、お金の入りと出が管理されてしまうのです。
会社では大きなお金の動きに関して、
取締役会での決定が必要です。
が、そんなことはおかまいなしなのです。
それでは困るのです。
多くの場合、
夫である社長が後継者にバトンタッチする時点で、
同時に退いてもらっています。
当然そのあと、
後継者の奥様を経理担当にすることはありません。
そんなことをしたら、また、同じ状況に陥るかもしれないのです。
「お金ことはまだまだ後任には任せられない!」
と拒む社長夫人がたまにおられます。
なかには、
「身内への給与の振込だけは、私がやります!」
と言った方もいます。理由を聞くと、
「他の社員に給与の金額を知られたくないから。」
というものでした。
そんなこと、給与振り込みをしなくとも、
賃金台帳や源泉徴収票などで誰かしら社員にわかることです。
結局、財務省的なポジションを、手放したくないのです。
家業の規模ならまだしも、企業規模ともなれば、
そのような状況は会社のためになりません。
同族企業特有の、イヤな臭いを周囲に放つだけです。
もし自分の会社がそのような状況なら、
速く改めてほしいのです。
(古山喜章)
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