リスケジュール③
岩手商店(仮称)は、理由あって、
昨年末にリスケジュールに踏み切りました。
経営者は、リスケすることで、
信用不安が起きるのが怖い、と思っています。
「信用不安が起きて、仕入先が原材料を供給してくれなければ、
うちは、製品がつくれない。それは避けたい」というわけです。
だいたい、地方でそれなりに名が知られた会社というのは、
酒のつまみになりやすいのは確かです。
噂好きな人間の間で話題になるたびに、
尾ひれがついて、根も葉もない噂が流れます。
そのときに、噂が広まってからでは遅いので、
先回りするのです。
具体的には、重要な取引先に対しては、
こちらから先に説明をして回ったのです。
「当社は、~という状況で、まだ先行きが不透明のため、
金融機関と協議のうえで、~という方針をとりました。
今後については、金融機関(岩手商店の場合は信用金庫です)が、
バックアップしてくれるので、引き続きのご協力をよろしくお願いいたします。」
などと説明するのです。
このとき、岩手商店の経営者だけでなく、
信金の支店長にも説明に同行してもらいました。
そうすることで、説得力が増します。
岩手商店の周囲では、多少噂は流れましたが、
取引をストップするところは、ありませんでした。
岩手商店の専務が、仕入先からこう言われました。
「あなたとのところとの取引は継続しますよ。
なぜなら、こうやって、きちんと説明に来てくれたからね」
(福岡雄吉郎)
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