神の値上げ③
博多労務センター(仮称)の天神一郎社長(仮名)は、
2代目社長ですが、ここ最近は、ずっと悩んでいました。
最大顧客であるX社に関して、
業務負荷が大きすぎて、振り回され、
また、報酬金額も現状維持が続いているということでした。
「値上げ交渉はしてるんですか?」
「はい、1年半くらい前からしてるんですが、
うまい具合に交わされ、話をすり替えられ、
なかなか出来ていないのが現状です」
一郎社長(仮名)は、人が良く、
そういう意味では、交渉をガンガン進めるタイプではありません。
「博多労務センターとしては、X社は、
付き合っていきたい相手ですか?」
「まぁ、報酬をあげてもらえれば・・・
現状はおそらく採算ぎりぎりか割れてますので」
「でも、かなり人は振り回されてますよね。
今後もX社が業務を拡張してゆけば、
また、人が増え、業務が増え、
でも、報酬はのらりくらり、上手い具合にかわされて・・・の繰り返しですね」
「まぁ、それはそうなんですが・・・」
「何かひっかかることでも?」
「いえ、仮に、X社との契約が終了したら、
いま専属で業務をこなしてくれている5名の職員は、
解雇しなくてはいけなくなるので、それを考えると・・・」
「解雇?その必要はないでしょう」
「そうですか、でも人は確実に余りますよ・・・」
(福岡雄吉郎)
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