繰越欠損金を活かしなさい②
コロナや災害、コストの急高騰など、
思わぬことで大きな赤字が出る、ということが経営にはつきものです。
「繰越欠損金が大きいので、しばらく法人税が発生しません!」
そんなときこそ、
出口を待ち望んでいる社内埋蔵金を、掘り起こすタイミングなのです。
②生命保険を解約する。
繰越欠損や単年度で大きな赤字があるタイミングで
解約を検討したいのが、生命保険です。
現状は、一部の少額のものをのぞいて、
保険料金額の最大で4割損金計上です。
しかし、数年前まで、全額損金計上や半分損金計上、
という保険商品が多くありました。
その当時、あとのことはあまり考えずに、
「とにかく保険で節税しておこう」
くらいの感覚で生命保険に加入した、という会社が多かったのです。
しかし、加入年数が長く続けば、
解約返戻金の率は、じわじわと下がってきます。
せめて返戻率が75%以下になるまでに、解約したいところです。
そのためには、
加入している生命保険の解約返戻金や、
損金処理の状況を把握しておきたいのです。
全額損金の保険なら、解約金は全額、利益計上になります。
半分信金の保険なら、利益計上となるのは、
解約返戻金から資産計上分を差し引いた金額になります。
要は、どの商品を解約するかで、
利益計上される金額が変わってくるのです。
どうせなら、繰越欠損や赤字の範囲内で、解約したいのです。
そんな都合よく解約できる保険がありません、
という場合もあります。
特にそのなかに、解約返戻率が65%を下回るような
保険があるのなら、それはもう払い止めにして、そのままにすべきです。
そうしないと、
35%程度の法人税のほうがキャッシュアウトは少ない、
ということになってしまうのです。
ICOでは、
法人保険の担当者にお願いして、現状の保険証券をすべて預け、
解約返戻率や損金処理の現状を把握できる一覧表を
作成していただきました。
それをチェックしておけば、いつ頃に、
どの保険を解約すればいいのか、が見えてくるからです。
皆さんの会社でもぜひ、生命保険の現状を把握されることを、
お勧めいたします。
(古山喜章)
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