私が銀行団ならビッグモーターに何を要求するか④
90億円の借り換え要請を銀行団からあっさり断られたビッグモーター。
業績回復の見通しもたたず、資金繰りは厳しくなるばかりです。
銀行団としては、いかにして融資資金を回収するか、
という局面に入っています。
自分が銀行団なら、ビッグモーターに何を要求するか、
考えてみました。
④創業家の撤退を求める
数年前、スルガ銀行が“かぼちゃの馬車”事件の不正融資で
問題になったとき、金融庁は創業家の撤退を要求しました。
さらにその以前、
岡山の林原が経営破綻したときは、銀行団が創業家の撤退を要求しました。
いずれの場合も、再生の道をたどるには、
創業家が撤退しなければムリ、と考えるからです。
ビッグモーターの場合も、
創業家の個人資産を融資の回収にあてたうえで、
「全株式を手放して株主の地位から撤退してください。
そうでなければ、・・・・・・・」
と、断ることのできない条件を、私が銀行団なら提示します。
ここまで社会問題化して、
創業家が株主のままで再生などできません。
しかし、現状の店舗立地、人員、設備など、
買い取って自社の商売に活用したい、という会社はありえます。
銀行団にしても、この会社を買ってくれるなら、
負債を一部減額しても構わない、という条件を出すこともできます。
銀行にしたら、このまま会社が倒産し、
融資回収額はほんのわずかしかない、という状況を避けたいのです。
そのためにも、経営支配権を受け継ぐ会社を探したいのです。
不祥事や何らかのトラブルで業績が急激に悪化すれば、
銀行は一気に態度を変えます。
当然です。貸したお金が返ってこないのも問題ですが、
不正の横行する会社に融資していることが発覚すれば、
銀行は金融庁だけでなく、世間からもたたかれるからです。
金融業界のお叱りだけでなく、風評被害も避けたいのです。
ビッグモーターの事件をみて、
「うちも似たようなところがある。」
「他人事だと笑っていられない。」
そう感じている中小企業の経営者もおられるでしょう。
社内に悪い芽があるなら、早く摘んでおいてほしいのです。
(古山喜章)
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