海外投資のワナ③
港不動産(仮称)の決算書を見ると、
貸付金に5億円、未収入金にも3億円
が計上されています。
インド子会社に対する貸付金5億円は分かりますが、
未収入金3億円は何でしょうか?
内訳明細を見ると、“貸付金利息”とあります。
状況を確認すると、過去の税務調査で、
現地の借入金利に合わせて計上しなさい、
と言われ、現地の高い金利(6%以上)に合わせて、
受取利息を計上している、とのことでした。
当然、回収見込みはありません。
そして、もっと困ったのは、
この子会社の状況を誰も把握できていない、
ということでした。
聞けば、この子会社は、前任の経理マンが
全て処理をしていたようですが、
この経理マンは、とある事情で、会社を退職しています。
現在の経理マンは、引継ぎはほぼ行っておらず、
これまでの経緯、事情が全く分かっていません。
「現地の決算書を見せてほしい」
と依頼しても、出てくるのは、
2年前の決算書で、最新版は出てきません。
「誰が運営しているんですか?」と聞くと、
子会社の社長が一応、運営しています、と。
では、その子会社の社長と面談をしてみても、
「細かいことは、現地の人間に任せていて、
おカネの流れとかは、良く分かりません。」という回答が多く、
誰も、実態が分からないのです。
(福岡雄吉郎)
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