百聞は一見にしかず①
顧問先の土佐商店(仮称)は、
四国で水産業を営んでいます。
B to Bで、
仕入れた魚の加工販売を行っています。
土佐商店の業績は、芳しくなく、
このままでは、損益トントン、
下手すれば赤字の見込みです。
なぜなら、特に直近は、
魚価がどんどん値上がりし、
これまで経験したことのないほどに、
仕入価格が高騰しているからです。
高騰した仕入価格分、
そのまま得意先への卸価格に反映できればよいですが、
土佐商店の製品は、いわゆるコモディティで商品力が弱く、
価格転嫁は容易ではありません。
結果として、採算悪化の主要因になっています。
この他、人件費上昇、水道光熱費(燃料費)も軒並み上昇しており、
こうした製造原価が、昨年対比で大幅に増加しています。
土佐商店として、財務体質も健全とはいいがたく、
銀行借入もそれなりにあり、返済もしてゆかなければならず、
採算改善は、頭の痛いテーマです。
土佐商店は、土佐和夫氏(仮名)が、
実務を取り仕切っています。
来る10月に、実父である土佐一郎氏(仮名)からの
社長交代は目前に控えています。
月次試算表を和夫専務と眺めて、質問します。
「専務、損益の改善ということで、
見てみると、一つは、保管料が目につきますね。」
「あぁ、保管料ですか?これはもう下がらないと思います」
間髪入れずに、反応がありました。
(福岡雄吉郎)
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