新たな設備投資は本当にないのか?④
“即時償却が使える間に、設備投資しなさい!”
と言うと、
“もうやりきったので、やることがないです。”
と、おっしゃる場合があります。
本当にそうなのでしょうか?
④ 最新設備に買い替えて生産性を上げる
「うちの機械はまだそんなに古くもないので、
買い替える必要はないですよ。」
という経営者が時折おられます。
「しかし、今のモデルのほうが最新式でしょ。」
というと概ね、
「まあそうですけど、大して変わらないですから。
いま買い替えたらもったいない。」
等と言うのです。
機械設備を必要とする工場では、
最新設備のほうが生産性は上がります。
それだけでも、ライバルとの優位性を確保できるのです。
もったいない、という考え方も誤りです。
まず、今買い替えれば、優遇税制である即時償却制度を活用できます。
全額を一気に償却でき、課税対象となる税引き前利益を下げて節税できます。
即時償却を活用した場合、上乗せになる減価償却費は特別損失です。
通常の減価償却費とは、損益計算書での計上場所が違うのです。
なので、営業利益や経常利益には影響ありません。
それに、古い機械の簿価が残っていれば、固定資産除却損として、
特別損失を計上できます。
これも、課税対象となる税引き前利益を下げることに役立ちます。
あるいは、古い機械とはいえ、中古設備として売却できるなら、
売却した代金もキャッシュとして入ってきます。
常に減価償却費を活用し、最新設備を備えて優位性を確保する。
機械設備を取り扱う会社は、いつもこのことを考えてほしいのです。
(古山喜章)
« 新たな設備投資は本当にないのか?③ | トップページ | 百聞は一見にしかず① »
「財務・会計・キャッシュフロー」カテゴリの記事
- 営業マンのリスキリング⑤(2023.10.27)
- 営業マンのリスキリング④(2023.10.26)
- 営業マンのリスキリング③(2023.10.25)
- 営業マンのリスキリング②(2023.10.24)
- 営業マンのリスキリング①(2023.10.23)
コメント