なぜ会計事務所は普段と違う処理を嫌がるのか②
ICOでお手伝いをさせていただき、
決算書への記載方法などを指導した時に、
社長から次のような声を聞くことがあります。
「“そんなことをしたら不自然で目立ちますから、
税務署から目をつけられるかもしれませんよ。”
と会計事務所から言われました。」
といったものです。
②勘定科目を急に変えるのは不自然だ!
ある会社の貸借対照表を拝見したところ、
勘定科目の数がやたらと多く、見づらいものでした。
生命保険だけでも、
保険会社や内容ごとに分かれて、7つの勘定科目になっていました。
「これは保険積立金でひとまとめにして、
各内訳は内訳明細に記載したらいいんじゃないですか。」
と社長に伝えました。
その後、社長から連絡が入りました。
「うちの会計事務所の税理士先生から、
急に勘定科目を変えたら不自然だからやらないほうがいい、
と言われました。」
とのことなのです。
「急に変えたら不自然って、
じゃあ勘定科目をじわじわとわからないように変えなさい、
とでも言うんですか?」
「いや、そうなんですよ。私も税理士先生に同じように言いました。
急に変えたらダメなら、どう変えるんですかって、聞いたんですよ。」
そしたら、う~ん、と唸るだけで何も返事しないんですよ。」
「そりゃ、じわじわなんて変えようがないでしょ。」
「そうなんです。
だから、“先生が不自然に思おうが、やってください!”
て強めに言い返したら、しぶしぶやってくれることになりました。」
というやりとりがあったのです。
結局、会計システムに新たな勘定科目のコードを作って、
そこにこれまで分散していた数字を集約するのが面倒なだけなのです。
不自然でも何でもありません。
我々からしたら、
保険の勘定科目だけで7つもあることのほうが、
よっぽど不自然です。
面倒なことをやりたくない、
手間を掛けたくない、というのが明白な言い訳なのです。
この社長は税理士先生に言われたからといって、
言いなりにならず、言い返すことで解決できたのです。
その社長は、
私たちの書籍やセミナーで決算書のことを学んでいました。
決算書というものに対するICO式の理解があったので、言い返せたのです。
決算書における何かを変えようとすると、
会計事務所は概ね嫌がります。
しかし、だからといって、引き下がる必要はないのです。
そのためには、決算書に対して無知では言い返せません。
決算書、特に貸借対照表に、明るくなってほしいのです。
(古山喜章)
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