付加価値のない業務に人手を使わない②
日本では少子高齢化がますます進み、
労働人口はどんどん減ってゆきます。
給与を上げて採用したくても、人がいないのです。
その流れはもう始まっているのです。
しかし、そんな時代を乗り越えるべく、
新たな取り組みを始めた中小企業も、あるのです。
②うちは事務スタッフがいないんです
先日、ある会社を初めて訪問しました。
その会社は、IT系の会社でした。
朝9時30分の約束で、少し早く到着したものの、
中で待たせてもらおうと思い、ドアを開けようとしました。
すると、まだカギがかかってました。
“あれ、場所を間違えたのかな?”と思っていたところ、
「あぁ、お早いですね。失礼しました。」
と、すぐにうしろから来られた方が、その会社の社長でした。
「今日は私が一番早い出勤だと思います。」
とおっしゃったので、
「事務所のスタッフは10時出勤ですか?」と尋ねました。
するとこう言われました。
「いやいや、うちは事務スタッフがいないんです。」
「事務スタッフゼロですか!それは素晴らしい。」
驚きながら事務所内に入らせていただき、席に通されました。
続けて社長が言いました。
「今日はこのあと、3名ほど出勤してくる日なんです。」
「営業の人とかですか?」
「いや、うちは営業もいないんです。」
「営業もゼロですか!まさにICO式ですね。」
「そうなんですよ。うちは企画開発の会社なので、私も含めて、
そのメンバーしかいないんです。
それに、うちの仕事はどこででもできるので、事務所も小さくして、
事務所出勤者を毎日数名で、持ち回りで決めてます。」
必要な事務作業はどうしているのか、お聞きしました。
「給与も経理も全部、委託してます。
正直、事務スタッフをおくほどの人数でもないし、
とにかく稼がない人件費を増やしたくなかったので。」
営業ゼロのこともお聞きしました。
「うちは全部、口コミと紹介ですね。
ホームページもさほど力を入れてません。」
おっしゃるとおり、最低限の情報しかホームページには
書かれていませんでした。なので、言いました。
「それはよほど商品力がおありなんですね。」
「どうもそうみたいでね。」
社長は謙遜しながらおっしゃいましたが、
おそらくかなり自信がおありなのだと感じました。
いかがでしょうか。
事務スタッフゼロ、営業マンゼロ、そのような会社が現実にあるのです。
これ以上のことは書けませんが、驚くべき業績を上げておられたのです。
設立10年前後で、社長もまだお若いです。
この社長が言われたとおり、
事務スタッフのほとんどは、稼がない人件費なのです。
加えて、これまでの感覚とは次元の異なる経営者が、
じわじわ増えてきているのです。
古い常識に捉われている時間は、もうないのです。
(古山喜章)
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