付加価値のない業務に人手を使わない①
日本では少子高齢化がますます進み、
労働人口はどんどん減ってゆきます。
給与を上げて採用したくても、人がいないのです。
その流れはもう始まっているのです。
しかし、そんな時代を乗り越えるべく、
新たな取り組みを始めた中小企業も、あるのです。
①小口現金業務はやめました
多店舗展開をしているサービス業の顧問先で、
「うちの会社には現金がまったくありません。」
という会社があります。
店舗にないだけではなく、本社にもないのです。
「よくやめれましたね!」と社長に言いました。
「ICO の先生は皆さん、小口現金なんかやめろ、
と言っておられるじゃないですか。なので、
そのとおりにやってみただけです。」
「それはそうですが、よく現場に反対されませんでしたね。」
「やはり、なかには反対する者もいましたよ。」
「そうでしょうね。小口現金をなくして、
どういうやり方で対応しているんですか?」
「事業所ごとに法人名義のクレジットカードを発行して、
それで全てまかなうようにしました。
使ったら、クラウド会計に反映されるので、
仕訳も自動でされてゆきますよ。」
結局、やり始めたらこっちのほうが現場も楽になり、
前のやり方に戻りたい、とは誰も言わなかったそうなのです。
今や少額でもクレジットカードを普通に使います。
クレジットカード対応の店舗も多く、困ることはないのです。
多店舗や多事業所の会社の場合、
小口現金を置いています、という会社がまだ多いです。
中小企業は特にそうです。
小口現金がなぜいるのかを聞くと、
「ちょっとしたものを買う時にいります!」
「宅配便とか来た時に着払いの時があります!」
「お香典がいるときに現金がいります!」
など、なんだかんだと言い訳が出てきます。
お香典といっても高額ではないのですから、
立て替えて給与と一緒に振り込んでもらえばいいのです。
加えて、小口現金はかなりの処理業務を必要とします。
・事業所ごとの口座に必要な現金を経理が振り込む
・事業所の者が現金を引き出す。
・事業所で使った現金の精算をして経理に申請する。
・申請された事業所の精算を行いチェックする。
このようなことが、事業所の数だけ発生します。
しかも、このような処理業務をしたからといって、
お客様への売り物の付加価値が高まるわけではありません。
単なる附帯業務です。
こんなことに貴重な人手を使うのはもったいないのです。
今までのやり方は、お金をかけてデジタル化するより、
人手でやったほうが安いし早い、という発想でした。
それは、人を安く潤沢に使えての話しです。
労務コストは爆上りし、そもそも人がいない、
という時代になってもできる対応ではないのです。
長かったデフレは、もはや終わりなのです。
付加価値のない業務には人手を使わない、
という発想で、社に業務を見直してほしいのです。
(古山喜章)
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