付加価値のない業務に人手を使わない④
日本では少子高齢化がますます進み、
労働人口はどんどん減ってゆきます。
給与を上げて採用したくても、人がいないのです。
その流れはもう始まっているのです。
しかし、そんな時代を乗り越えるべく、
新たな取り組みを始めた中小企業も、あるのです。
④うちの倉庫にはリフトマンがいません
昨日紹介した、
自動搬送ロボット(AGV)を使う倉庫でのことです。
「うちの倉庫にはリフトマンがいません。
『運ぶ』ということは全て、搬送ロボットがやりますので。」
とのことでした。
その倉庫は、1階と3階に分かれていました。
自前ではなく、賃貸です。
「1階と3階の移動はどうするんですか?」
と聞きました。
「それも搬送ロボットがやります。
ラックを3階から降ろす場合、搬送ロボットがラックごと、
エレベーターに乗ってラックだけを置いて、エレベーターから出ます。
ラックだけがエレベーターで1階に移動します。
1階にエレベーターが着いて扉が開くと、
1階で待っていた別の搬送ロボットがエレベーターに入ってきます。
ラックをエレベーターから出して、出荷に必要な場所へと運びます。」
とのことで、
そのようなことが搬送ロボット間で自動連係して稼働する、
ということでした。
誰かが操作することなく、出荷ラックを必要な場所へ運ぶ、
という作業目的のもと、
搬送ロボットの内蔵AIが相互連係して最適ルートで運ぶのです。
だから、リフトマンはいらないのです。
リフトマンがいると、何かとコストがかかります。
・人件費がかかる。
・作業服やロッカー、駐車場もいる。
・現場のことを学ぶまでの時間が必要になる。
・労災事故や破損事故が起こりうるので、各種安全対策がいる。
・「暑さ対策」「寒さ対策」が必要になる。
・健康診断など、福利厚生が必要になる。
・とにかく人がいない時代なので、採用コストが大きい。
『運ぶ』ということを全部、自動搬送ロボットで済ませれば、
これらのコストがかからないのです。
これだけで、物流コストにかなり大きな差が出るのです。
それに、人手不足はますます深刻化します。
深刻化するほど、労務コストは当然、上がります。
『運ぶ』という事自体はお客様にとって付加価値のないことです。
ロボットが使える時代になるほど、
「人件費が上がっているのでその分値上をお願いします。」
という値上の理由は通らなくなります。
“人手不足でもうちはリフトマンがいないので、困りません。”
と言えるよう、
今のうちから将来を見据えた投資をしてほしいのです。
(古山喜章)
« 付加価値のない業務に人手を使わない➂ | トップページ | 付加価値のない業務に人手を使わない⑤ »
「コストダウン(労務・IT・他)」カテゴリの記事
- 付加価値のない業務に人手を使わない⑤(2023.11.17)
- 付加価値のない業務に人手を使わない④(2023.11.16)
- 付加価値のない業務に人手を使わない➂(2023.11.15)
- 付加価値のない業務に人手を使わない②(2023.11.14)
- 付加価値のない業務に人手を使わない①(2023.11.13)
コメント