新たな投資に備えて「銀行交渉」の力を磨きなさい➂
人手不足や諸物価高騰など、
経営環境は大きく変わろうとしています。
変化に対応するには、新たな投資も必要になります。
その投資へ向けて、
改めて銀行交渉の力を磨いてほしいのです。
➂1行ではなく複数行と交渉する
銀行交渉においてまず大事なことは、
1行ではなく、複数の銀行と交渉する、ということです。
例えば、
「0.5%以下の金利でお願いします。」
と1行取引の銀行であるA銀行に交渉したところで、
「いやぁ、うちでは0.9%で精一杯ですね。」
と言われて、それで終わりです。
そこから進めようがありません。
それが、A銀行の他にB銀行、C銀行と競合相手があれば、
「じゃあB銀行とC銀行のほうがいい条件だし、
そのふたつに絞らせてもらおうかな。」
といったことが言えるようになります。
そうなると、A銀行は
「ちょっと待ってください。
B銀行、C銀行の条件を上回れるよう、再検討させていただきます。
ちなみに…、それぞれの条件を教えていただけませんか?」
「いいけど、教えるからにはそれより良い条件にしてくださいよ。」
となります。これが交渉です。
通常の仕入れ交渉であれば、
このような形で強気に相見積もりをされているはずです。
なのに、銀行が交渉相手となると、
途端に下手に出てしまう中小企業がまだ多いのです。
今は空前のカネ余りです。銀行は貸し先がなく困っているのです。
かつてのような、
“貸してくれなかったらどうしよう…”
などという心配は、もはや不要なのです。
決算書を強くし、格付け(スコアリング)を高くしておけば、
有利な条件での融資をいつでも受けれるのです。
銀行も「お金」という商品の仕入れ先にすぎない、
という思いで、複数銀行との交渉にあたってほしいのです。
1行取引で融資条件が自社にとって有利になることは、
まずありませんので。(続く…)
(古山喜章)
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