新たな投資に備えて「銀行交渉」の力を磨きなさい④
人手不足や諸物価高騰など、
経営環境は大きく変わろうとしています。
変化に対応するには、新たな投資も必要になります。
その投資へ向けて、
改めて銀行交渉の力を磨いてほしいのです。
④金利はタイボ+スプレッドで交渉する
私たちICOでは、
「借入金利はタイボ+スプレッドで交渉しなさい。」
と言い続けています。
タイボ(TIBOR)は、
Tokyo InterBank Offered Rate の略で、
“東京銀行間取引”と呼ばれています。
東京の銀行間で日々行われている、
お金の貸し借りをする際の取引金利です。
日本経済新聞の金融欄に、毎日その金利が掲載されています。
そのタイボ(TIBOR)金利にスプレッド(上乗せ金利)を
合計した数字が、タイボ+スプレッドの金利となります。
タイボは基本、日々変動します。
なので、タイボ+スプレッドは変動金利です。
「金利がそろそろ上がりそうなので、もう固定のほうがよいのでは?
銀行は固定を勧めてきますよ。」
と尋ねられることがあります。
上がり気味とは言うものの、かつての高金利に比べると、
日本はまだまだ低金利です。
それに、銀行は固定金利のほうが高く設定できるから、
そうささやいてくるのです。
銀行が固定というのなら、変動のほうが借りる側は有利なのです。
銀行が言う事の逆を行けばよいのです。
現に今年1月年始のタイボ(1ケ月)は、0.06364%でした。
11月28日のタイボ(1ケ月)は、0.04818%です。
1月の年始時点よりも、下がっているのです。
だからまだまだ、タイボ+スプレッドでよいのです。
「銀行に聞くと、
“うちの銀行ではタイボは扱っていないです”と返事がきました。」
とおっしゃる社長がいました。
それは銀行員のウソです。そうしたくないだけです。
結局、他の銀行でタイボ+スプレッドでやります、という銀行があり、
社長はそのことを先の銀行員に伝えると数日後に、
「私どもの銀行でもようやく取り扱えるようになったので、
ぜひ、私どもで融資をさせてください。」
との返事が返ってきたのです。
タイボ+スプレッドでの扱いがない、という銀行はないのです。
金利交渉の折にはぜひ、
「タイボ+スプレッドでお願いします。」と言ってほしいのです。
それだけで、
“この社長はちょっと手ごわそうだな…。
こちらの強気な提案は通りそうにないな。”
と扱いが変わってくるのです。
融資の際に、何の要望もなく交渉もしない社長には、
銀行担当は、
“この会社ならどんな提案でも通りそうだな。”
と判断します。そうなると、
銀行のいいようにされてしまうのです。
そんなことにならぬよう、
銀行交渉に関する知識を蓄えて、実践してほしいのです。
(古山喜章)
« 新たな投資に備えて「銀行交渉」の力を磨きなさい➂ | トップページ | 新たな投資に備えて「銀行交渉」の力を磨きなさい⑤ »
「銀行交渉」カテゴリの記事
- 「金利ある世界」に踊らされてはいけない⑤(2024.08.09)
- 「金利ある世界」に踊らされてはいけない④(2024.08.08)
- 「金利ある世界」に踊らされてはいけない➂(2024.08.07)
- 「金利ある世界」に踊らされてはいけない②(2024.08.06)
- 「金利ある世界」に踊らされてはいけない①(2024.08.05)
« 新たな投資に備えて「銀行交渉」の力を磨きなさい➂ | トップページ | 新たな投資に備えて「銀行交渉」の力を磨きなさい⑤ »
コメント