2024年のうちに進めておきたいこと④
年始にあたり、今年のうちに進めておきたいことを、
書かせていただきます。
④総資産の身軽化(アセットライト)
貸借対照表の総資産をできるだけ小さくしなさい、
オフバランスをして除却損を出しなさい、
と言い続けています。
総資産の身軽化=アセットライト経営へと、
さらに拍車をかけてほしいのです。
現状、デフレは終わり、緩やかなインフレ傾向です。
中小企業の価格が適正になり、今よりも賃上げが進む頃には、
その環境変化により、資産は膨らんでゆきます。
当然、資産が膨らむ分、借入金も増えてゆくでしょう。
売上高も大きくなり、デフレよりも好景気感となるでしょう。
そうなると経営者はますます、攻めの体制になってゆきます。
その時に、
アセットライト経営で総資産を増やすことなく稼ぐ、
という経営体質の会社は、攻めても総資産を増やしません。
減価償却を増やす、子会社を活用する、回収を早くする、
余計な投資などをしない、不良資産は早期に損切する、持たずに借りる、
などの財務体質が出来上がっているのです。
キャッシュフロー重視の経営が常態化しているのです。
一方、アセットライト経営を意識しない会社は、
好景気の中でどんどん資産を増やしてゆきます。
借入金もどんどん増えます。金利は増え、節税も進みません。
稼いだお金が出てゆくのに、好景気がゆえに気にしないのです。
しかしやがていつか、マサカの坂がやってきます。
自然災害か、金融ショックか、パンデミックか、何かはわかりません。
しかし、どこの会社にも、いつかはやってくるのです。
その時に、
すぐに舵を切って被害を最小限に抑えて再起するのは、
間違いなく、アセットライト経営に取り組んでいる会社なのです。
資産が膨張している会社は、身軽でないが故に、
即座に大きな舵をきることができません。
昨今、環境変化が激しいからか、
マサカの坂は増えている気がしてなりません。
その時に備える意味においても、
キャシュフロー経営を強化するためにも、
総資産の身軽化=アセットライト経営を、まだまだ進めてほしいのです。
(古山喜章)
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