2024年のうちに進めておきたいこと①
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
年始にあたり、今年のうちに進めておきたいことを、
書かせていただきます。
①手形決済期限短縮への対応
手形の取り扱いについては、次のようになっています。
2024年以降 決裁期限を最長120日から60日に短縮
2026年以降 紙の手形を廃止
いずれも何月からとの記載はありません。
ただし、昨年令和5年2月に中小企業庁より、
“速やかに短縮してください”との文書が大企業あてに出されました。
この手形決済短縮については当初、
令和3年3月に、中小企業庁から通知が出されました。
3年間の猶予をみて短縮せよ、とのことでした。
下請法の運用を見直す、というものでした。
さらにその通知では、
手形決済短縮に優先して現金支払いを勧めています。
1.下請代金の支払いはできる限り現金によるものとすること。
としたうえで、手形で支払場合は期日を60日に短縮せよ、
とのことなのです。
なので、
そもそも手形を使っての受取りも支払いもやめなさい、
という趣旨なのです。
中小企業の資金繰りを悪化させる要因のひとつが、回収期間の長さです。
なかでも、受取手形をもらって回収すると、
締め後4ケ月、5ケ月などとなるケースもあります。
これでは短期借入金が増えるばかりです。
それに、手形で回収すると、支払いも手形で、となりがちです。
流動資産や流動負債が膨らみます。
結果、貸借対照表の金額が膨らみ、経営指標を悪化させるのです。
2026年に紙の手形が廃止なので、電子手形は残りますが、
方針の流れからゆくと、
電子手形もやがてはなくなるものと思われます。
加えて、手形は万一不渡りを起こすと、二度目で銀行取引は停止です。
そうなると、商売は事実上、できなくなるのも同然です。
「一度目なら大丈夫」
と思うかもしれませんが、実際は違います。
不渡りを出したことを知った取引先は、
危険を感じて現金回収にしか応じなくなったり、
取引きを急遽やめたりします。巻き添えをくらうのはイヤだからです。
結局、一度目の不渡りで倒産に陥る企業が多いのです。
手形を発行する、ということには、このようなリスクがあるのです。
減りつつありますが、決算書を拝見していると、
手形はまだ根強く残っている、という印象です。
時代の流れは手形の廃止です。
その動きに合わせて手形をやめて、
回収も支払いも、健全な体質へと生まれ変わってほしいのです。
(古山喜章)
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