小山昇氏の銀行対策はおかしい!④
小山昇氏著「1%の社長しか知らない 銀行とお金の話し」
がよく売れています。
しかし、同氏の持論は危険です。
“銀行からは借りれるだけ借りておきなさい”
“借金をして常に潤沢な現預金を持ちなさい”
この論理は、
“とにかくお金があれば安心できる”
という、財務を勘違いしている中小企業の社長には刺さるでしょう。
しかしこの考え方は、経営における明らかなミスリードなのです。
④なぜ、「当座貸越」活用のことが出てこないのか
私たちICOは、
何が何でも無借金であり続けるのがいい経営だ、
等とは考えておりません。
必要のない借入金を抱えるな!と言いたいのです。
とはいえ、
不測の事態で急な資金が必要になることもあるでしょう。
あるいは、一時的に賞与などで資金が必要になる、
ということもあるでしょう。
その場合のために、
取引先の銀行に「当座貸越枠」を持つことを勧めています。
A銀行で5千万、B銀行で3千万、など、
いつでもすぐに短期融資を受けられる契約を交わすのが、
「当座貸越契約」です。
そうしておけば、
日頃から借りているわけではないので、余分な金利が発生しません。
当座貸越枠を使って借りた時だけ、金利を払います。
なのに、
小山氏の本には「当座貸越」の記載がまったくありません。
とにかく、
“銀行からは常に借りておきなさい”
“借りてでも現金をたくさん持つのが正しい”
と書いています。
銀行にすれば嬉しくてしかたがない文章です。
銀行にとっては小山サマサマです。
しかし、
どうしてそこまでして銀行の肩を持とうとするのか。
そうしておけば少なくとも、
自分たちの会社は銀行から大切にされる、とでも思っているのか。
この構図は銀行と武蔵野のもたれあい経営ではないのか、
と勘ぐってしまうのです。
銀行を敵対視せよ、とは言いませんが、
そこまで気をつかう必要はなく、
銀行と互角に交渉できる財務体質を築いてゆけばいいじゃないか、
と考えるのです。
続く…。
(古山喜章)
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