M&Aは慎重に⑤
先日、顧問先の社長から、
M&Aに関する相談を受けました。
2人で話をしたいということでした。
諸々検討した結果、
このM&Aを前向きに進めることにしました。
次のステップは、意向表明書の提出です。
この意向表明書というのは、
不動産を買う場合に提出する
買付証明書と同じようなものです。
細かいことはさておき、
だいたいこういう条件で買うことを考えています、
という意思を示すための書類です。
もちろん、この意向表明書は、
契約書ではないので、
法的な効力はありません。
つまり、意向表明書を出したあとに、
「やーめた」となっても、それはそれで構わない、ということです。
しかし、注意してほしいのは、
法的な効力はなかったとしても、
ここに書いてあることが、後々、
引っ張られるということです。
たとえば、買収価格は、●億円とする、
とあれば、最終的な契約書を交わすときも、
その●億円から動かすことはしづらくなります。
「約束したでしょう、約束は守ってくださいね。」
という書類です。
ですから、ここにどんなことを書いて、
何を主張するかは、大切なのです。
入口でボタンを掛け違えれば、
最後までボタンは掛け違えたままです。
そうなれば、時間も労力もお金も使ったあげくに、
ブレイク(破断)となります。
入口は肝心です。
(福岡雄吉郎)
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