それは、修繕費か資産か?③
地方の顧問先からの質問に対し、
国税庁からは、「こういう場合は修繕費、こういう場合は資産」
という見解が示されています。
これについては、明日ご紹介します。
そもそも、なぜ、修繕費か?資産か?
というテーマがよく問題になるのか、について、
ご説明をしておきます。
修繕費というのは、損益計算書(PL)で、
経費として処理されます。
損金にできるので、その分、
税引前利益を減らすことができ、節税につながります。
対して、修繕工事を、資産として計上してしまうと、
これは、長い時間をかけて、
減価償却費として経費(損金)にしていきます。
これが、何年になるかは、
どんな建物、設備に対して、工事をしたか?
によりますが、10年、20年くらいかけて、
経費(損金)にしてゆくことになります。
減価償却費とは、
「建物や設備の価値が1年間で、これだけ減りました」ということを表した金額です。
例えば、1億円の設備を買って、すぐに使い始めました。
さて1年後、この設備はいくらでしょうか?
金額では良くわかりませんね。
でも、わからないと困ります。
それを解決するために考えられたのが「減価償却」です。
設備は、長く使えば、やがて価値がなくなりますね。
これを専門用語で「償却する」と言います。
つまり、「帳簿上で、固定資産の価値を何年にもわたって、少しずつ減らしていき、償却させる(ゼロにする)こと」を減価償却というのです。
この、1年間で減った価値を「減価償却費」で表すのです。
価値が減ると言っても、実際に、お金は出ていきません。
あくまで、決算書上で、価値を少しずつ減らすのです。
会社にできるだけお金を残そうと思うと、
減価償却費(経費)を早く、大きく計上することがポイントです。
利益が出ている会社であれば、
修繕費で一気に損金として処理するか、
減価償却費で、少しずつ損金として処理するか、
は、税金支払いに関して大きな差がついてしまいます。
なので、ふつうは、
修繕費で処理したほうがよい、修繕費にしたい
と考えるわけです。
(福岡雄吉郎)
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