業績不振の銀行に気を付けなさい②
2024年4月下旬、山形県のきらやか銀行が、
注入された公的資金の返済期限延長を国に申し入れした、
と報道されました。
②一行取引の会社がバタバタ倒産し始めました
ゴールデンウイーク以降、山形県の中小企業倒産のニュースが
ネット上で増えました。
山形県内の社長に聞いいたところ、
「きらやか銀行から、
1行取引で借りている会社ばかりが倒産していますよ。」
とのことでした。
さらに聞くと、次のように教えてくれました。
「きらやか銀行以外の各銀行員は以前から、
『きらやかさんは我々が(ヤバくて)貸せない企業さんへ
平気で融資に行くケースが多いです。
また、我々が取引している(正常先)企業さんに
爆弾のような低金利を提示して切り込んでさらって行きます。
あれでは収益出ないだろうに…。』
と、よく話しておりました。
また、きらやか銀行から1行取引で借りる会社の社長も、
『山形銀行、荘内銀行はお高くとまってウチに貸さないけど
きらやか銀行さんは親身になって融資してくれた。
だからウチはきらやか銀行さんとだけ付き合うんだ。』
と、よく話しておりました。」
貸す方の銀行は、とにかく目先の融資が欲しいし、
借りる方の会社は、資金繰りが厳しく是が非でも借りたい。
他の銀行は貸してくれないけど、きらやかは貸してくれる。
このような状況が続いていたのです。
資金繰りが厳しい会社に、
きらやか銀行がお金を貸していたのは、
親身になって貸していたのではありません。
貸し先の財務状況が正常な格付(スコアリング)でなくとも、
融資額を増やすためだけで、むりくり貸していたにすぎないのです。
このような状況のなか、
きらやか銀行は、公的資金の返済延長を申し入れたのです。
リスケの要請です。
今後は、金融庁からのチェックが厳しくなります。
となると、きらやか銀行は、
格付(スコアリング)の悪い会社への融資を、
もはや継続することはできません。
銀行は金融庁サマサマです。
そのご意向に従い、銀行が生き延びれるのなら、
融資を何度も転がすことなど、すぐに辞めてしまうのです。
今回倒産しているのは、
きらやか銀行との1行取引で融資を受けていて、
財務状況がそもそもよくない会社ばかりとのことです。
おそらく、借入金が膨れて常態化し、
借り続けることで延命していた会社です。
いわゆるゾンビ企業です。
お金を借りれることに依存して、自らの商品力を高めたり、
業績改善への取り組みなど、できていなかったのです。
借金しているのが当たり前になると、
社長は自分たちに都合のよいようにばかり、
その状況を解釈してしまいます。
だから、常日頃から借りる必要もないのに、
お金を借りる、ということはしないでほしいのです。
(続く・・・)
(古山喜章)
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