銀行交渉に強くなりなさい②
“銀行が金利を上げる交渉に来ました!”
というお声を聞く機会が最近増えました。
このような時こそ落ち着いて、
このブログやICOの書籍・セミナーで学んだことを思い出し、
銀行の言いなりにならない交渉をしてほしいのです。
②地方銀行の金利は、まだ上がっていません
前回、
メガバンクから金利を上げる交渉に動いてきている、
と書かせていただきました。
それに比べると、
地方銀行はまだ金利上昇の動きが鈍いです。
先日も中部地区の地方都市の経営者が、
次のように言っていました
「先生、取引はあるけれどお金を借りたことのない
地方銀行から、どうか借りてください、とお願いに来ました。
無担保・無保証で、金利は長期で0.5%でした。」
結局その会社は、借りる必要がないので借りていませんが、
今現在、長期で0.5%なら、悪くはない金利です。
ちなみにその会社の自己資本比率は、45%でした。
地方では、お金を借りてくれる先はない上に、
必要以上に銀行の数が多く、明らかな供給過剰です。
すぐにでもお金を借りたい、という会社は、
まさに倒産寸前の財務状況の会社ばかりです。
銀行はそのような会社へは、貸したくないのです。
財務状況が悪い会社は、決算書を元に評価される、
スコアリング(格付け)のランクが低いです。
ランクが低い会社へお金を貸すには、
銀行はより多くの貸倒引当金を積まねばなりません。
それは銀行の一般管理費となり、
銀行の営業利益を悪化させる要因となるのです。
だから格付ランクが低い会社に貸すには、
貸倒引当金を上回る、高い金利を銀行は要求してくるのです。
多くの地方銀行は、業績不振で悩まれています。
なんとか頼み込んででも、貸倒引当金が少なくて済む、
財務状況が良い、スコアリング(格付け)の高い会社へは、
低い金利であっても、お金を貸したいのです。
やはり、貸借対照表の財務状況をよくしておくことが、
強い銀行交渉への第一歩なのです。
(古山喜章)
« 銀行交渉に強くなりなさい① | トップページ | 銀行交渉に強くなりなさい➂ »
「銀行交渉」カテゴリの記事
- 金利は上げなくて結構です④(2025.11.07)
- 金利は上げなくて結構です③(2025.11.06)
- 金利は上げなくて結構です②(2025.11.05)
- 金利は上げなくて結構です①(2025.11.04)
- 銀行交渉 死語の世界⑤(2025.09.05)

コメント