転ばぬ先の杖③
顧問先の会議に出席していると、
トラブル、争いごとが耳に入ってきます。
(ケース1)
これは、海外製の機械の販売代理店 横浜商事(仮)の話です。
5年前に、ドイツ製機械の販売代理権を手にして以来、
横浜商事の営業力もあり、
着実に、成果を出し続けてきました。
いまでは、優秀代理店として、
表彰されるまでになりました。
その優秀さは、日本だけでなく、
世界中の販売代理店のなかでも特筆すべきもの、
ということで、特別表彰も受けるほどでした。
ところが、その反面、
ドイツの本国メーカーからは、
高い販売目標が掲げられ、
加えて、彼らの決算月には、
大量の在庫が押し込まれる事態になりました。
本国メーカーは、上場しており、
投資家から評価を得なければ、
株価が下がります。
ですから、自分たちの業績をつくるために、
過度な販売目標を掲げさせたり、
在庫の押し込みを行ってくるわけです。
最近になり、それがあまりに顕著だということで、
本国メーカーに対して、
取引条件の改善や、在庫負担が重いことを、
レターにしたためて、送付しました。
しかし、本国メーカーは、全く意に介さないのです。
ずっとあれこれと交渉を続けているのですが、
よりどころは、当然ながら、販売代理契約書なのです。
そして、そこには、どう書いているか?
重要事項については、もれなく、
「ドイツ本国メーカーの裁量により決定する」
と書かれてしまっています。
日本の会社同士でのやりとりであれば、
GNP(義理人情プレゼント)、あるいは、
公正取引員会などに訴えるという手はありますが、
相手は、ドイツメーカーであり、
紛争発生時は、すべて、ドイツ法にのっとる、と
書かれてしまっています。
こうなると、形成は不利で、
いくらあがいても、形勢逆転は至難の業、
なのです。
(福岡雄吉郎)
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