転ばぬ先の杖④
顧問先の会議に出席していると、
トラブル、争いごとが耳に入ってきます。
(ケース2)
これも、海外がらみです。
海外でビジネスをしたいオーナー燕三郎氏(仮名)は、
5年ほど前に、スリランカで飲食店を開きました。
当初、3000万円の出資をおこない、
経営は、現地在住の日本人に任せていました。
しかし、元来、燕会長は、
すぐに他人を信用するところがあり、
この飲食ビジネスも、大した契約書をせずに、
始めようとしていました。
ところが、燕会長の長男で、社長でもある、
燕賢二氏(仮名)から、「そんなやり方では、
うまく騙される、お金が蒸発するだけだ」として、
出資直前にストップがかけられました。
そして、賢二社長の出した条件として、
現地の経営陣はじめ、経営をサポートする
コンサルタント複数名に、念書を書かせました。
その念書には、
「運転資金不足については、責任をもって調達する」
などと書かれていました。
要するに、賢二社長としては、
出資は、3000万円ぽっきりで、
追加出資はしない、という意思表示だったのです。
そして、飲食店は、オープン。
当初は順調にいっていたかに見えましたが、
ご承知のとおり、コロナが発生し、
この飲食店の業績も急降下、
まもなく資金に窮するようになりました。
そして、予想通り、
追加出資のリクエストがやってきました。
そこで、お人よしの三郎会長は、
追加出資に応じる決断をしたのです。
(福岡雄吉郎)
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