支払いの美学④
支払いに関する社長の美学が
垣間見えるのは、他にもあります。
関西地方の鉄鋼商社での話です。
血縁関係のない元社長、元専務から、
株式を買い取るべきか?
また、買い取るなら、すべて買い取るのか?
そして、買い取る場合、いくらで買い取るのか?
現在の社長は悩まれていました。
ちなみに、額面評価は、5万円です。
しかし、今から、15年前に、
元社長が住宅資金の一部にしたいということで、
1株80万円で株式を購入した、という事実があったのです。
なぜ、80万円だったか?というのは、
昔のことなので、よくわかっていません。
しかし、今は昔。
少数株主としての評価額は、
確かに、1株5万円なわけです。
現社長は当初、
・将来を見据えて株式を買い取ってしまいたい
・ただし、無理に全株買い取る必要はない
・額面で買うつもりはない、色は付けるつもり
・2人の株主は、ともに80歳を超えており、
難しい話をしても、通じない
・元社長、元専務の子供(50歳前後)が入社しており、
株式の買い取りでこじれると、それはそれで面倒くさい
ということで、なかなかふんぎりがつかず、
どうしようか、迷われていました。
おまけに、顧問税理士の先生に相談しても、
「こうしましょう」という話がなく、
どちらかというと、社長の考えたことに対して、
否定的な見解が多く、ストレスを溜め込んでいたのです。
(福岡雄吉郎)
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