「金利ある世界」に踊らされてはいけない⑤
7月末、日銀の決定会合で金利を0.25%引き上げる、
ということが決定発表されました。
「金利ある世界」になった、とマスコミもネットも、
危機感をあおるように報道しています。
しかし、まだまだ慌てることはないのです。
⑤環境に見合う値上をしなさい
そもそも金利が上がるということは、
景気が上向く中でのことです。
景気動向を探りながら、日本であれば日銀が金利を上げてゆきます。
とはいえ、
金利上昇の時期を誤ると、景気はまた落ち込みます。
そのバランスが難しいが故に、急な金利の大幅上昇はありえません。
金利を気にする以前に、今の経営環境のなかで、
適正な利益を確保できるよう、商品・サービスの
値上が進んでいるかどうかです。
原材料、労務コスト、光熱費などはもはや、
デフレ環境の価格ではないし、戻らないのです。
この変化した経営環境のなかで、
粗利益(売上総利益)と営業利益を確保するから、
金利が上昇しても耐えられるのです。
値上げが行き届かなければ、
粗利益も営業利益も減るだけです。
中小企業はまだまだ、そのような状況の会社が多いのです。
もちろん、
売り物を変える、売り物を絞り込む、売り先や売り方を見直す、
ということも必要です。
しかし、現状の商品別や売り先別で見た時に、
今の売値で適正な粗利益を維持できているか、です。
「そこがまだ不十分です。」
「はっきりした分析ができていないです。」
という状況を打破してほしいのです。
私たちの顧問先でも、社長自らが価格交渉に動きだし、
成果を上げている中小企業がいくつもあります。
そのためにこれまで、
商品力を磨き、ライバルへの優位性を高めてきたのです。
そして何より、中小企業の値上げには、
社長自身が動き、先方のトップや役員陣と交渉することです。
営業マンレベルの動きだけでは、値上げは思うように進みません。
これから上がるべく金利に備えるためにも、
今のうちにこの経営環境に見合う値上を、実現しておいてほしいのです。
(古山喜章)
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